ざきログ

Zakki Log - つらつらと、気になることを綴ってみます -

【チェンマイ】ロイクラトン祭りの華やかなパレード

タイの雨期明けのお祭り「ロイクラトン(ลอยกระทง、 Loi Kranthong)」はスコータイが発祥の地であるが、現在ではタイ各地で広く催されている。

チェンマイも例外ではなく、祭りが盛大に行われる。また、ランタンを空へ飛ばす「イーペン・ランナー・インターナショナル」祭りもロイクラトン祭りと同時期に開催される。そのため、ロイクラトン祭りの期間中、チェンマイを訪れる観光客はどっと増える。

スコータイとひと味違うチェンマイのロイクラトン祭りを紹介してみたい。

 

 

チェンマイのロイクラトン祭りはパレードがメイン

チェンマイのロイクラトン祭りでは様々なイベントが催されるが、見所はパレードである。大学や企業を始めとするいろいろな団体やチームが趣向を凝らし、ターペー(Tha Pae)通りをパレードするというものだ。

パレードのある日は夕刻になるとパレードに使用する飾り物を取り付けたり、盛装した男女がパレードのリハーサルをしたり、その準備のために慌ただしくなる。

このような慌ただしさの中でも、ターペー門のお堀にたたずむ優雅な女性たちの姿を見ると、やはりチェンマイは「北方のバラ」と言われるのも納得してしまう。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレード前にくつろぐタイの女性

パレード前のひと時

 

パレードの参加者は、見物客でいっぱいの通りを練り歩く。身にまとう衣装は様々だ。ミスチェンマイも登場し、パレードに花を添える。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレード

パレード

 

海外のチームも参加するパレード

ロイクラトンのパレードには外国の団体として中国や日本チームも参加することもある。

日本のチームは、おそらくチェンマイにある日系企業で働く方たちが主体となっているのだろう。日本の祭りのハッピを纏っての参加だ。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレードに参加する日本チーム

パレードに参加する日本チーム

  

日本といえばコスプレだろう。チェンマイにあるいすゞの従業員を中心に、多くの若い女性のコスプレイヤーがパレードを彩る。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレードに参加するコスプレイヤー

パレードに参加するコスプレイヤー

 

混雑する歩道

パレードの最中、ターペー通りの沿道は見物客で非常に混雑する。歩くのも困難な状況だ。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレードで混雑する歩道

混雑する歩道

 

パレードが通る沿道にある屋台などは商売上がったりかと思いきや、そうでもない。パレードを見るためにスタンバイしている見物客がフルーツなどを買ってくれる。喉が渇いたとしても、動くのもままならないからだろう。

 

チェンマイのロイクラトン祭りのパレードが通る歩道でカットフルーツを売る屋台

歩道の屋台

 

パレードを見学するなら早めにいい場所を確保し、あまり動かないようにした方がいいだろう。また、夕食も早めに済ませておいた方がいい。

 

イーペン・ランナー・インターナショナル

夜空に舞うコムローイでおなじみの「イーペン・ランナー・インターナショナル」もロイクラトンの時期に行われる。ロイクラトンとは異なる祭りだが、日本人にとってはロイクラトン祭りよりもこちらの方により興味があるのではないかと思う。

ロイクラトンの時期にチェンマイに行けば、2つの祭りを楽しむことも可能である。うまく予定をたて、雨期明けのチェンマイをお祭り三昧で過ごすのもいいのではないだろうか。

イーペン・ランナー・インターナショナルに関する詳細は、下記の記事を参考にしてほしい。

 

【イーペン・ランナー・インターナショナル】 

www.apriori-eye.com


【スコータイのロイクラトン】 

www.apriori-eye.com

 

【スコータイからチェンマイへの移動】 

www.apriori-eye.com

 

【スコータイ】ロイクラトン発祥の地で光と音の祭典を楽しむ

ロイクラトン(ลอยกระทง、 Loy KrathongあるいはLoi Krathong)は、毎年陰暦12月の満月の夜に行われるタイの雨期明けのお祭りである。現在の暦だと10月~11月にあたる。

ロイクラトンの時期はタイ各地でお祭りが行われるが、中でもスコータイのロイクラトンが有名である。

 

 

ロイクラトン発祥の地 スコータイ

ロイクラトンはタイの灯籠流しのお祭りだ。バナナの葉を蓮の形にし、それを川に流し川への感謝を示すというもので、13世紀のスコータイ王朝の時代に始まった。そのため、スコータイはロイクラトンの発祥の地とされている。

現在でも灯籠を流すことはロイクラトンの重要な要素の1つではあるが、それに加え様々なイベントが行われ、大規模なお祭りになっている。

 

遺跡公園が舞台のロイクラトン

スコータイのロイクラトン祭りの正式名称は、「スコータイ・ロイクラトン&キャンドル・フェスティバル(Sukhothai Loi Krathong & Candle Festival)」と言い、スコータイの旧市街にある遺跡公園(歴史公園)で行われる。

数多くの遺跡に囲まれた場所で行われるフェスティバルというのがポイントで、楽しい雰囲気で素晴らし祭りだ。

祭りの期間中、公園内に様々な屋台が所狭しと出店され非常ににぎわう。

 

スコータイ遺跡公園内に出店しているロイクラトン祭りの屋台。焼いた鶏などを売っている

ロイクラトン祭りの屋台

 

遺跡公園に大勢の見物客が集まるのは夕方からである。公園内の各エリアでは様々なイベントが行われ、象乗りなども体験できる。

 

スコータイ遺跡公園のロイクラトン祭りの会場内を歩く象

会場内を歩く象

 

日が暮れるにつれ、スコータイ遺跡公園には明かりが灯ってくる。また、公園内の遺跡もライトアップされ、昼間とは打って変わり幻想的な光景となる。

 

スコータイのロイクラトン祭りを彩る提灯

色とりどりの提灯

 

公園内にはいくつかの池がある。池の水面に映る光がシンメトリックになっている様子が美しい。

 

ロイクラトン祭りでライトアップされたスコータイの遺跡公園

ライトアップされた遺跡公園

 

遺跡公園内の一角にある小さな池のほとりでは、クラトン(灯籠)を浮かべる人たちの姿を見ることができる。

 

スコータイのロイクラトン祭りで池に灯籠を流す人々

池に浮かぶ灯籠

 

メインイベントは光と音のミュージカルショー

スコータイのロイクラトン祭りのメインイベントは、スコータイ王朝の歴史を再現した光と音のミュージカルショーである。

これは遺跡を背景に野外で行われる光と音をふんだん使った劇で、出演者の人数も多い。また、象も出演するという壮大な野外劇だ。

ロイクラトンの時期のスコータイに来たからには、これを見逃す手はないだろう。

 

スコータイ遺跡公園で行われるロイクラトン祭りの光と音のミュージカルショー

光と音のミュージカルショー

 

ショーのフィナーレには花火が打ち上げられ、遺跡を舞台にした野外劇はクライマックスに達する。

光と音のミュージカルショーが終了すると舞台で出演者が並んでおり、気軽に撮影に応じてくれる。しかし、出演者と一緒に記念撮影をする者も多く、写真を撮るのもなかなか大変ではある。

 

スコータイ遺跡公園で行われるロイクラトン祭りの光と音のミュージカルショーの出演者と記念撮影

記念撮影

 

光と音のミュージカルショーを見る方法

前売り券

光と音のミュージカルショーを見るにはチケットが必要だ。毎年、前売りチケットが販売されるのは5月ぐらいからだが、正確な日にちはタイ国政府観光庁のウェブサイトで告知される。

 

【タイ国政府観光庁のウェブサイト】

www.thailandtravel.or.jp

 

前売りのチケットはタイの「ぴあ」に相当する「Thai Ticket Major」で予約、購入する。もちろん、オンラインでも購入可能だ。しかし、これはちょっと不便かもしれない。

オンラインで購入後、指定された期間内にチケットを受け取らなくてはならないからだ。チケットを受け取る場所は、タイにあるThai Ticket Majorの店舗である。受け取れる期間は長く設定されているが、それでもロイクラトン祭りの1週間から10日前までが最終期限となっている。

 

【Thai Ticket Majorのウェブサイト】

https://www.thaiticketmajor.com/index.html

 

当日販売

前売りチケットの購入は、タイ在住者か、あるいはロイクラトン祭りの相当前にタイに入国できる場合を除いて現実的ではない。

前売りチケットを購入できない場合は、光と音のミュージカルショーが行われる当日に、スコータイ遺跡公園でチケットを購入することになる。ショーは数日間に渡り行われるので、当日チケット売場に行っても購入できる可能性は十分ある。

 

チケットを購入できない場合

ミュージカルショーのチケットは、ショーが行われる舞台から近い場所に座席を確保するというものである。これは、日本の有名なお祭りの桟敷席のようなものだ。

ミュージカルショー自体は野外で行われるので、舞台からは多少離れるものの、チケットがなくてもショーの雰囲気は十分味わえる。

つまり、チケットがないからといってショーを見ることができないということではない。チケットがない場合は離れた所から立ち見で見学すればいいだけだ。

 

遺跡公園の近くのお寺も美しい

スコータイの新市街から遺跡公園へ向かう途中に「ワット・トラバン・トーン・ラーン(Wat Traphang Tong Lang)」というお寺がある。このお寺のライトアップもきれいなのでおすすめだ。

スコータイ遺跡公園から、徒歩5分ほどの所にあるお寺なので、遺跡公園に行く前か帰りにでも立ち寄ってみるといいだろう。

 

ロイクラトン祭りでライトアップされるスコータイのワット・トラバン・トーン・ラーン

お寺のライトアップ

 

【ワット・トラバン・トーン・ラーンの地図】

 

【参考記事】 

www.apriori-eye.com

 

【タイの祭り】ピーターコーンの仮面に関する2つの博物館

ピーターコーン祭り(Phi Ta Khon Festival、ผีตาโขน)が行われるルーイ県(Loei、จังหวัดเลย)のダーンサーイ(Dan Sai、ด่านซ้าย)には、ピーターコーンに関する博物館が2つある。

これらの2つの博物館は「ピーターコーン博物館」という名称で一緒に扱われているようだ。いずれにせよ、どちらの博物館も、ワット・ポーンチャイ(Wat Phon Chai、วัดโพนชัย)の敷地内にあり、入場料は無料である。

ダーンサーイに行ったら見逃せないスポット、2つのピーターコーン博物館を紹介してみたい。

 

 

ピーターコーン博物館

ダーンサーイにある2つの博物館の1つが「พิพิธภัณฑ์ผีตาโขน(ピピッタパーン・ピーターコーン)」という名前で、そのものずばり「ピーターコーン博物館」である。

この博物館はお寺の古い建物の一角にあり、入り口が少々分かりにくい。後述するもう1つの博物館に行く人は多いが、こちらの博物館には入らない人もいる。

 

ダーンサーイのポーンチャイ寺

ポーンチャイ寺

  

しかし、博物館という価値では、こちらのピーターコーン博物館の方が貴重である。ピーターコーンの歴史などの解説や、それに付随するものが数多く展示されているからだ。

もちろん、ピーターコーン祭りで使用される仮面やピーターコーンの人形も展示されているが、メインはピーターコーンに関する様々な資料であると言えるだろう。

 

ダーンサーイのポーンチャイ寺にあるピーターコーン博物館に展示されている資料

展示されている資料

 

この博物館ではピーターコーン祭りの期間中、ボランティアの女子学生が博物館内を案内してくれる。普段はそれほど外国人が来る観光地でもないので、彼女たちにとって祭りの期間は祭りを見物に来た外国人と英語を話すいい機会でもある。

 

ダーンサーイのポーンチャイ寺にあるピーターコーン博物館のガイド

ピーターコーン博物館のガイド

 

ボランティアの学生は、博物館内の資料などの説明をしてくれ、質問にも答えてくれる。

ただし、このボランティアによる案内は、ピーターコーン祭りの初日でなければ難しいかもしれない。祭りの華であるパレードが行われる2日目は多くの人が訪れ、ボランティアも大忙しだからだ。

じっくりと話を聞きたいなら、ピーターコーン祭りの初日に行くことをおすすめする。

 

ダーンサーイ郷土博物館

ピーターコーン博物館の隣にあるきれいな建物が「พิพิธภัณฑ์ท้องถิ่นเมืองด่านซ้าย(ピピッタパーン・トン・ティン・ムアン・ダーンサーイ)」で、「ダーンサーイ郷土博物館」とでも訳せばいいだろうか。

ネットで調べていると、このダーンサーイ郷土博物館の方をピーターコーン博物館と思っている例が多いことが分かる。それもそのはず、こちらの方がイメージ通りの「ピーターコーン博物館」だからだ。

 

ポーンチャイ寺にあるダーンサーイ郷土博物館

ダーンサーイ郷土博物館

 

ダーンサーイ郷土博物館は比較的新しい建物で、館内にはピーターコーンの仮面が数多く展示されている。まるで芸術作品のように仮面が飾られているので、何枚も写真を撮りたくなることだろう。

 

ワット・ポン・チャイにあるダーンサーイ郷土博物館に展示されている色とりどりの仮面

展示されている仮面

 

この博物館では色を塗る前の仮面と仮面に色を塗る道具なども展示されており、ピーターコーンの仮面の作成方法も知ることができるようになっている。

 

ダーンサーイ郷土博物館に展示されている色を塗る前の白いピーターコーンの仮面

色を塗る前の白い仮面

 

この博物館もピーターコーン祭りのパレードが行われる2日目は、ゆっくり写真を撮れないほど混雑する。じっくりと見学するにはパレード当日は避けるべきかもしれない。

 

ピーターコーンの名前の由来

ネットでピーターコーン祭りについて調べていると、ピーターコーンの語源、あるいは由来を「ピー(ผี)」を「精霊」、「ター(ตา)」を「目」、「コーン(โขน)」を「仮面劇」として、「精霊の仮面をかぶった劇」と説明しているサイトがほとんどである。

おそらく、あるサイトに記載された文章をそのままコピーしているのだろう。しかし、これは必ずしも正しいとは言えない。

めこんから出版されている梶原俊夫著「タイの祭り」によると

 

ピー・ター・コーンの語源には2つあるとされる。ひとつは「人についていく精霊(ピー・ターム・コン)」が変化したもの。これはお釈迦様が故郷に帰る時に人々だけでなく、精霊までもが森から出てきて歓迎したという話による。もうひとつは文字通り「仮面をかぶった精霊」という意味。

 

と、ピーターコーンの語源には2つあるとしている。

 

タイの祭り

タイの祭り

  • 作者:梶原 俊夫
  • 発売日: 2013/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

ネット上のウェブサイトやブログでは、2つ目の「仮面をかぶった精霊」をピーターコーンの語源としているが、これは間違いである可能性が高い。

ピーターコーン博物館で館内を案内してくれた女子学生にこの件に関して聞いたところ、「ピー・ター・コーン」は「ピー・ターム・コン(人についていく精霊)」のことだと説明していたからだ。確かに「ピー・ターム・コン」の方が語源としては美しい。

語源が2つあり、地元の人が一方を正しいものとしているのだから、それに従っておくべきだろう。

ちなみに「タイの祭り」という本は、かなりの良書である。単にタイの祭りを紹介しているのではなく、きちんと由来なども記載しているからだ。おそらく増刷されることはなく、いずれ絶版になるだろう。タイの祭りに興味があるなら買っておいて損のない1冊と言える。

 

【参考記事】 

www.apriori-eye.com

 

【バンコク】タイのホラー「メー・ナーク」の舞台を訪れる

日本でお岩さんと言えば「四谷怪談」に出てくる幽霊として有名である。タイにも有名な怪談、あるいは幽霊の話がいくつかある。その内の1つが「メー・ナーク・プラカノン(แม่นากพระโขนง)」だ。

お岩さんとメー・ナークはどちらも実在した人物で、その話の内容は事実に基づいているとされている。タイで有名なホラー「メー・ナーク・プラカノン」について紹介してみたい。

 

 

怪談「メー・ナーク・プラカノン」

メー・ナーク・プラカノンとは?

「メー(แม่)」はタイ語で「お母さん」という意味であるが、ここでは当時タイで使われていた女性に対する敬称である。そして「プラカノン(พระโขนง)」は地名で、現在はBTSの駅名にもなっている。

つまり「メー・ナーク・プラカノン」は「プラカノンに住むナーク婦人」、あるいは簡単に「プラカノンに住むナークさん」という意味だ。

このナークさんが幽霊になるという話がメー・ナーク・プラカノンである。

メー・ナーク・プラカノンの「ナーク」という女性の名前の表記であるが、「นาก」という表記が正しいとされている。しかし、「นาค」もかなり使用されており、2つの表記が混在している。

 

ストーリー

とあるタイ人にメー・ナーク・プラカノンのストーリーを簡単に説明してもらった。

 

ある所に若い夫婦がいた。妻(メー・ナーク)は赤ん坊を身ごもったが、夫は出兵のために家を離れなければならなくなった。

夫が出兵中、妻は赤ん坊を出産したが、難産のため妻も赤ん坊も亡くなってしまった。

そのため成仏できない妻は幽霊となり、夫の前に現れた。

 

ざっとこのようなストーリーである。

しかし、タイ人に聞いても「メー・ナーク・プラカノン」のことは知っていても、詳しいことになるとあやふやな人も多い。日本人も四谷怪談を詳細に覚えている人は少ないだろう。タイ人も同様である。

メー・ナーク・プラカノンのストーリーを現代風にしてアニメ化したのが下の動画である。タイ語が分からなくても、見ていれば何となく分かるのではないだろうか。 

 

 

メー・ナークを題材にした映画やドラマ

メー・ナーク・プラカノンについては、映画やドラマが何度もリメイクされている。

しかし、やはり何らかの怨念があるのか、メー・ナークのテレビドラマの撮影中、女優が水牛から落下し負傷したという事故が起きている。

 

【メー・ナーク撮影中に事故】

www.thaich.net

 

四谷怪談でも映画関係者に同様の事故が起こっているが、こんな点もメー・ナークとお岩さんはそっくりだ。

 

メー・ナークを祀るお寺

BTSプラカノン駅からタクシーで

メー・ナークを祀ったお寺がプラカノンにある。ワット・マハーブット(วัดมหาบุศย์)という寺だ。最寄駅はBTSのオンヌット(อ่อนนุช)である。

オンヌット駅から無理をすれば歩けない距離でもないが、往路はタクシーに乗ることをおすすめする。細い路地を通って行くので、道に迷う可能性もあるからだ。

オンヌットからタクシーに乗るとプラカノン方面に進んでからUターンするので、行きはBTSのプラカノンから乗り、帰りはオンヌットまで行く方が便利だろう。

タクシーの運転手に「メー・ナーク・プラカノン」と告げると分かってくれる。もしかしたら運転手が

「怖くないの?」

と聞いてくるかもしれない。

「ちょっとだけね」とでも答えておけばいい。

現在は都市化してしまったプラカノン周辺だが、多少昔の下町の雰囲気が漂う路地を走って行くとワット・マハーブットがある。

 

スクンビットのソイを進んだ所にあるワット・マハーブット

ワット・マハーブット

 

メー・ナーク・プラカノンを祀った一角へ

ワット・マハーブットはきれいな寺で参拝客も多い。このワット・マハーブットの敷地を奥に進むとメー・ナーク・プラカノンを祀った一角(ศาลแม่นาคพระโขนง)がある。

最初に目にするのはメー・ナークの肖像画だ。

  

メー・ナーク・プラカノンを祭る建物の入口脇にあるメー・ナークの肖像画や人形

メー・ナークの肖像画

 

メー・ナーク・プラカノンを祀った場所に着くと結構な人混みである。タイ人は幽霊を怖がる人が多いが、怖いもの好きも多い。

 

参拝客が絶えないメー・ナーク・プラカノンを祭った建物の入口

多数の参拝客

 

金色のメー・ナーク

建物の奥にメー・ナークが祀られている。そこには金色のメー・ナークの人形がある。

金色の人形はちょっと不気味である。メー・ナークの人形はミイラではないかと疑い、後日タイの知人に聞いたところ、ミイラではなく人形だということだ。

それにしても、見ると背中がぞくっとしてしまう人形である。

  

メー・ナーク・プラカノンの黄金の色をした人形

メー・ナーク・プラカノンの人形

 

建物内ではメー・ナークにお供えするための花輪や子供のおもちゃなどが売られている。参拝客のほとんどが、何かしらのお供え物を購入しているようだ。

メー・ナークの人形の回りには肖像画や服、子供のおもちゃなどが供えられている。

 

参拝客はメー・ナーク・プラカノンのためにさまざまな供養物を持参する

供養物

 

メー・ナークが祀られている場所の様子は、下記の動画を見ると分かりやすい。

 

【ศาลแม่นาคพระโขนง วัดมหาบุศย์】

  

供養の後は近くの池でタンブン

メー・ナークを祀っている建物の前にタンブン(喜捨をし、徳を積むこと)用の魚などの生き物を売っている店がある。すぐ横の小さな川が流れており、店で買った動物を川に放つのである。 

 

タンブン用に売られている水槽に入った魚

タンブン用の魚

 

店では売られているのは魚だけではない。亀やカニも売っている。しかし、亀は値が張りそうだ。

 

タンブン用に売られている亀

 

バケツの中にはカエルもいたりと、タンブンを行う者のニーズに合わせ、多彩な生き物が売られている。

 

タンブン用に売られているカエル

カエル

 

通常はパンくずなどを買い、鳥や魚にやる。お金ではなく気持ちが大切なのである。

 

タンブン用の魚や鳥のえさ

魚や鳥のえさ

 

メー・ナークを供養した後は、タイ人に混ざってタンブンをしてみよう。タイの子供たちも楽しそうだ。 

 

タイの子供たちに混じってタンブンを行う

川沿いでタンブン

 

タイ人にとってのメー・ナーク

メー・ナーク・プラカノンが事実かどうかは分からない。しかし、少なくともバンコクの人々の多くはメー・ナークの話は本当だと信じているようだ。

メー・ナーク・プラカノンの名前の部分である「ナーク」を地名にしている地区もある。ムエタイで有名なラチャダムヌン・スタジアムの南東にシー・イェーク・マハー・ナーク地区(แขวงสี่แยกมหานาค)があるが、この「ナーク」はメー・ナークに由来すると言われている。

地名に「ナーク」とつけるのもメー・ナークの話を信じ、彼女の霊を静めるための1つの供養なのかもしれない。 

 

【ワット・マハーブットの地図】

 

【タイの音楽】タイの美しい歌謡曲5選

タイにいい歌は数あるが、美しいという観点からみるとどのような歌があげられるか考えてみた。

タイの歌を全曲聴いたわけではない。また、とてもじゃないが聴けるわけもない。しかし、これまで聴いたことのある歌謡曲(ポップス)の中から独断と偏見で5曲選んでみる。

選ぶ際には曲と歌詞の美しさは当然のこととして、ちゃんと歌い継がれているかも考慮することにする。

 

  

1. พี่ชายที่แสนดี

1番目を選ぶのは簡単である。ウイ(อุ้ย รวิวรรณ จินดา)の「พี่ชายที่แสนดี(ピーチャイ・ティー・センディー)」だ。歌詞もメロディーも素晴らしい。

ピーチャイ・ティー・センディーは1986年にリリースされたが、いまだに新鮮な感じがする。後にも先にも、この歌を超えるものは出てこないだろう。

 

 

サーティダー(สาธิดา พรหมพิริยะ)がコンサートで歌う動画はスペクタクルな感じがしておすすめだ。ゆったりと歌っており、歌詞も表示されるのでタイ語の勉強にも役立つだろう。

 

 

2. จำเลยรัก

次がルーククルン(ลูกกรุง)の大御所であるサワリー(สวลี ผกาพันธุ์)が歌う「จำเลยรัก(チャム・ローイ・ラック)。下の動画の最初の曲である。

年末等に行われる格式ある歌番組やコンサートなどで歌われそうな歌だ。廃れたと言われるルーククルンだが美しい歌が多く、ファンも少なくない。

 

 

プムプワン(พุ่มพวง ดวงจันทร์)もこの歌を歌っている。「ルークトゥン(ลูกทุ่ง)の女王」と呼ばれているプムプワンだが、ルーククルンも歌っている。

 

 

3. รู้ว่าเขาหลอก

シリンター(ศิรินทรา นิยากร)の「รู้ว่าเขาหลอก(ルー・ワー・カオ・ローク)」もなかなかいい。多くの歌手からカバーされている歌だ。

 

 

パオワリー(เปาวลี พรพิมล)が歌う動画もある。パオワリーは、歌によってどのように歌い方をすべきかを知っている歌手である。この動画ではカラッとした感じに歌いこなしている。

 

 

また、ヤヤイン(ญาญ่าญิ๋ง)の動画もあるが、これは貴重かもしれない。サッカー賭博を映像のストーリーに使っているからだ。

タイで度々問題になるサッカー賭博である。今ではネットを使うのだろうが、当時どのように行われていたかを伺い知ることができる。

 

  

4. คืนนี้เมื่อปีกลาย

4番目はプムプワンの「คืนนี้เมื่อปีกลาย(クーニー・ムア・ピー・クライ)」。

プムプワン(พุ่มพวง ดวงจันทร์)が亡くなってから数十年経つが、タイでは今でも定期的に彼女の追悼コンサートが行われている。

「いつまでもプムプワンじゃないだろ…」と思うこともあるが、彼女のこのような歌を聴くと、やはりプムプワンは偉大な歌手だったと認識せざるを得ない。歌唱力だけでなく、技術もすごい。

 

 

タイの勝ち抜きのど自慢のような番組に出場した少女が「クーニー・ムア・ピー・クライ」を歌っている動画がこれ。彼女はプムプワンの歌を歌い込んでるようで、非常にうまく歌いこなしている。

若い頃のプンプワンに少し似ているような気もする。ちょっと気に入ってしまった。

 

 

5. อุ๊ยคำ

最後はチェンマイの名曲、カイ(ไก่ พรรณนิภา)の「อุ๊ยคำ(ウイカム)」だ。カムという名前のおばあさんのことを淡々と歌っている歌だ。詩的な歌詞で、聴く側にも想像力が必要な歌であろう。

カイの歌にはメロディーの美しいものが多い。また、ルークトゥンと思いがちだがそうではない。ルーククルン寄りの歌である。

 

 

イサーン(タイの東北部)の言葉は標準タイ語と異なるが、タイ北部の言葉もイサーンの言葉同様、標準語とはかなり違う。

下記のサイトでウイカムの歌詞が解説されている。青や水色で書かれたものが解説と標準タイ語への訳である。標準タイ語しか知らない者にウイカムの歌詞を説明するには、かなりの分量になることが分かるだろう。

 

informationchiangmai.blogspot.com

 

ちなみにカイは槇原敬之の「もう恋なんてしない」をカバーしている。歌の題名は「ซาโยนาระ」である。そのまま「さよなら」と読む。

 

 

タイの国旗の正式な色

「タイの国旗の色」で思い浮かべるのは「赤、青、白」ではないかと思いう。青色の部分は「青」と言うよりは、紺色に近い青かもしれない。少しあやふやなので、タイの国旗の色について調べてみた。

 

 

画像検索で表示されるタイの国旗

Googleでタイの国旗を画像検索してみると、下記のような結果となる。 

 

f:id:a-priori:20210216224244j:plain

Googleで検索したタイ国旗の画像


かなり色にばらつきがあり、鮮やかな色合いの国旗もあれば、非常に渋い色合いの国旗もあることが分かる。色が異なるとだいぶ印象も変わるが、国旗というものは、縦横の比や色が法律によって定められているはずなので、画像を取り扱う場合には注意する必要がある。

 

タイの国旗はトリコロール?

タイの国旗は「トン・トライロング(ธงไตรรงค์ )」と呼ばれている。トン・トライロングは「三色旗」という意味で、タイの国旗はトリコロールの1種ということになる。

しかし、トリコロールで思い浮かべるのはフランスの国旗である。タイの国旗もトリコロールと呼べるのであろうか?

 

www.fashion-press.net

 

上記のサイトの説明には

 

トリコロールとはフランス語のトリコロール「三色の、三色旗」に由来し、3つの色の組み合わせの総称。 トリコロールカラーなどと呼ばれることもある。 また、フランス国旗そのものをさす場合もあり、国旗の配色から青・白・赤の組み合わせをいうケースもある。

 

とあり、タイの国旗もトリコロールの1種と考えてよさそうだ。

 

正式なタイの国旗の色と形

タイの国旗の色や形、大きさに関してはどのように定められているのだろうか。Wikipediaの英語版から次のことが分かる。

 

縦横比 … 2:3
配色 … 上から赤、白、青、白、赤
色ごとの大きさ … 1:1:2:1:1

 

en.wikipedia.org

 

Wikipediaでは、タイの国旗の色に関しての説明もあるが、下記の「SchemeColor.com」というサイトの方が分かりやすい。

 

Thailand Flag Colors " Country Flags " SchemeColor.com

 

上記のサイトによりと、正式なタイの国旗は、

  • Vivid Burgundy
  • Cultured
  • Space Cadet

という3色の色を使用しているようだ。赤の色が「Vivid Burgundy」、白の色が「Cultured」、そして青の色が「Space Cadet」である。赤と青の色はともかく、タイの国旗の白い部分が本当の白色でないことに驚いた。

SchemeColor.comによれば、正式なタイの国旗のHTMLカラーコードは

 

  • Vivid Burgundy:Hex: #A51931、RGB: (165, 25, 49)
  • Cultured:Hex: #F4F5F8、RGB: (244, 245, 248)
  • Space Cadet:Hex: #2D2A4A、RGB: (45, 42, 74)

 

となる。

タイの国旗の画像などを作成する場合は、上記のカラーコードを使用するのが無難である。

 

【イサーン料理】タイのゲテモノ料理に挑戦する

「イサーン」とは、タイの東北部のことである。イサーンの人が自ら「ラオ」と呼ぶように、文化的にはラオスに近い地方である。話す言葉もタイ語ではなく、ラオス語によく似たイサーン語だ。もっとも、タイ語とラオス語も似ているため、外国人には違いがよく分からないかもしれないが。

 

 

激辛のイサーン料理

イサーンで特徴的なものは、言語の他に料理の辛さが挙げられる。タイ料理は辛いというイメージがあるが、そのイメージに貢献しているのが激辛のイサーン料理だろう。どれほど辛いかというと、自分が作った料理の辛さで、翌日下痢をしてしまうイサーン人もいるくらい。

なぜそれを知ったかというと、タイ人と大勢で海に行った時のこと。タイ人と言っても、ほとんどがタイ東北部出身のイサーンの人たちだ。海に着いてしばらくすると、女性陣が浜辺でソムタム(タイの辛いサラダ)を作り、それをみんなで食べたのだった。

翌日、私は下痢になった。正確には「翌日」ではなく、その日の夜だ。原因は海辺で食べたソムタムであろうことは容易に予想できた。一緒に海へ行ったタイ人にそのことを話したら、「あのソムタムは辛すぎた」と、作った本人も下痢になったことを打ち明けてくれた。

 

イサーンのゲテモノ料理

イサーン料理は辛いだけではない。ゲテモノ料理が多いのも特徴的だ。大体、普通のイサーン料理屋でも「Fried frog(カエルを揚げたもの)」のような料理があるので、少しゲテモノ寄りのレストランなら、それはそれはいろいろある。

 

タイのイサーン料理のメニューにあるカエルの唐揚げ

イサーン料理のメニュー

 

イサーン出身の知り合いに、イサーン料理店に連れてってもらったことがあるが、辛いものは好きな方なので自信はあった。実際、辛い料理については、ほぼクリアした感じ。

しかし、ある時、知人2人と行ったイサーン料理のレストランでのこと。知人がメニューを見てあれこれと料理を注文し、料理が次々と運ばれてきたが、その中に先のとがった変な物体があった。どうも2人は、得体の知れないゲテモノ料理を注文したようだった。

 

アヒルのくちばしはお煎餅の味だった

ぱっと見、それが何の料理か分からなかったものの、反射的に「わあ?、きちゃったよ…」と思わざるを得なかった。形からしても、ゲテモノ料理の類であることは間違いないと思えたからだ。2人に尋ねてみると、それは「パーク・ペット(アヒルのくちばし)を焼いたもの」ということであった。

タイのゲテモノ料理に関しては屋台でもよく見かけるので、虫料理については認識していたが、まさかアヒルのくちばしとは思いも寄らなかった。

 

アヒルのくちばしを使ったタイ東北部の料理

アヒルのくちばし

 

2人は「食べてみろ」とすすめてきたが、もちろん断った。しかし、知人がエスカレートして、よりきついゲテモノ料理を頼むのを阻止する意味で、アヒルのくちばしにトライすることにした。アヒルのくちばしは、虫料理なんかよりははるかにましだと思えたからだ。

恐怖心を押さえながらアヒルのくちばしを自分の口に入れ、恐る恐る噛んでみた。もしかしたら、それを噛んだ時は目を閉じていたかもしれない。

しかし、意外や意外、アヒルのくちばしは、まるでお煎餅のようなものだった。味としては悪くない。そこそこいける味だ。しかし、どうしてもアヒルのくちばしが頭に浮かんでしまい、ちょっと気持ち悪かったのも事実。

 

まさかの虫料理

後日、パーク・ペット同様、イサーン料理屋でのこと。今度は合計6~7名の団体でレストランへ行った。ウエイターが持ってきたメニューを広げると、いきなりカエルの写真…。「ここはゲテモノ料理専門店?」という不安が脳裏をかすめた。

気を取り直してメニューを見てみると、普通の美味しそうな料理の写真もあったので一安心した。ところが知人の一人が、芋虫を炒めたような料理の写真を指して「これ大好き!」なんてことを言いだした。

当然、こちらとしては防御体勢に入るしかない。「こういう料理はダメ!食べられないから!」

しかし、みんなは食べる気満々の様子。結局、押し切られ、虫料理を一皿注文する羽目になった。食べられないと宣言はしたものの、それで済むはずはない。案の定「食べてみろ」とすすめられ、食べることになってしまった。

虫料理が載った皿を「さあ、取って」という感じでこちらに差し出してきたのだった。しょうがないので虫を吟味して、ちゃんと炒められて茶色になっている虫を選んだ。

 

虫の幼虫を炒めたイサーン料理

虫の幼虫

 

そして、しばらく箸でつまんだ虫を見つめ、精神を整え、気合が入ったところで一気に口に入れた。空手家がレンガを割る時のように。

ポリポリ。塩味が効いている。意外なことに、虫だと知らなければ素直においしいと思う味だった。しかし、たとえ味はいけてるとしても、虫であることには変わりないので、これで勘弁というのが正直なところだった。

 

ちょっと白い部分がある虫

1つ食べ終わると知人がもう1つすすめてきた。「これも食べてみて」

意地が悪いことに、食べる虫が指定されている。なんか炒め方が十分でない白っぽい部分がある虫だった。こんな虫が混ざってたので、最初に食べる虫を選ぶ時に慎重になったのに。

「これはちょっと無理かも…」と思った。

しかし、またもや知人の強いすすめで食べる羽目になってしまったのであった。2度目なので最初ほどの抵抗感はなかったものの、白っぽい部分を見ると口に入れるのを躊躇してしまう。

周りの知人たちは好奇心一杯の眼で見ていたが。この心理は非常に理解できる。納豆などの未知の食べ物を前に、困った顔をする外国人を見るのは楽しいもの。これと同じである。

食べたくはなかったが、ここで食べないのもサービス精神に欠けると思い、ついに決心して口に入れた。カリカリとしていたが、やはりぷにゅーとする感じがした。きっと白っぽい部分だったに違いない。おそらく、その部分を噛んだ時は苦悶の表情だったと思う。

このタイプの虫はカリカリしていないと厳しい。そう感じた虫料理であった。

 

白い部分が残った虫の幼虫を炒めたイサーン料理

白い部分あり

 

虫料理といっても、この手のものでまだ良かったのかもしれない。イナゴの佃煮くらいなら日本でも時々見かけるし、虫料理でもイナゴ程度の大きさの虫なら見るのは問題ない。食べることはできないが。

しかし、タイの屋台で見かける、タガメのように大きな虫は、さすがに無理だ。あれほど大きな虫は、サービス精神という単純な動機だけでは到底食べられそうにも

 

タイ人の割り勘事情

タイのガイドブックなどに、「タイ人は割り勘で支払わない」と書かれていることがある。

また、「タイ人は絶対に割り勘をしない!」と自信満々に書いてあるタイ関連本もある。こんな時は「わたくし、タイのことには詳しいのよ!」なんていう著者のドヤ顔が目に浮かぶようだ。

しかし、本当にタイ人は割り勘をしないのだろうか?

 

実際に目撃した2つのケース

ケース1

女1人、男5〜6人のグループが食事をしていた。場所は、どちらかというと外国人旅行者が多く来るレストランだ。つまり、ちょっと高めということ。

テーブルの上は料理でいっぱいで、ウイスキーもボトルで注文していた。

見た感じ大学生でもなさそうだし、仕事仲間でもなさそう。年は20代半ばといったところ。大学の同窓生が久しぶりに会い、旧交を温めているというのがしっくりくる。

しばらくすると彼らがお会計をする段になった。

家族連れ以外のタイ人の集団がお会計をするのを見るのは初めてだったので、ものすごく興味があった。

するとどうだろうか。その集団にいる1人の女性が、稼ぎがいいのか、それとも家が金持ちなのかは分からないが、1人でお金を払おうとしているではないか。

私が払うから!

少し払うよ

はっきりとしたやり取りは分からなかったが、上のような会話が交わされていたものと推測する。

その女性の横にいた男性が心配そうな顔をしていたが、その女性は

いいから、いいから

という素振りで、自分の財布からお金を出し店員に渡したのであった。

少なくても3,000〜4,000バーツはしたのではなかろうか。それを彼女1人が払ったのだった。

その光景を見て感動してしまった。その女性の太っ腹に対して。

そして、「やっぱり、タイ人は割り勘はしないんだな〜」としみじみと思ったのだった。

 

ケース2

お昼時のレストラン。ランチタイムのセットメニューが70〜80バーツのお店。決して安くはない。

そのレストランで食事を終えたばかりの3人組が談笑していた。日本でいえば課長位の上司(男)と若い女と男の部下っていう感じだろうか。

このお会計も興味しんしんだった。上司が全部払うのか、それとも割り勘なのか。いくら上司とはいえ、家計は厳しいだろうからね。

さて、店員さんが通路側に座っていた女性の部下に伝票を渡した。彼女は、ちらっと伝票をチェックし、すぐに隣の上司に渡した。彼の部下2人は全く支払う気なし

「上司のおごりだと分かっていても、財布を出して少しは支払う気を見せなきゃ」と、こっちが心配になってしまう。彼の部下は、日本だったら出世は難しいかもしれない。

しかし、ここはタイ。上司は薄い財布から札を数枚取り出し、店員に渡した。

その上司、しばらく自分の財布の中身を眺めていた。心の中では、ため息をついてんだろうな〜と想像できる。タイでは、おちおち部下を食事に誘えないわな、これじゃ。

「昼飯くらい、割り勘にしようよ…」と、その課長さんらしき上司に同情するのであった。

 

タイ人に割り勘事情を確認する

実際に目撃した2つのケースから「やはりタイでは割り勘はないのだ。上の人やお金を持ってる人が全部支払いをするんだな」と確信した。

ところがである。この2つの話をあるタイ人女性に話したところ、ケース1については、

あり得ない!…ちゃんと外まで見に行った?絶対にお金のやり取りしてるから(つまり精算?)!

…だけど、その女性、全然お金を受け取るような感じじゃなかったよ

信じられない!…本当だとしたら、すごい!あなたもそんな女友達欲しいでしょ?

もちろん欲しい。

また、ケース2に関しては、

上司が払う確率は80%くらいかな

ということだった。

つまり、必ずしも上司がおごるわけではないようだ。約5人に1人の上司は、難局をうまいこと切りぬけているようなのだ。

毎日部下に昼飯おごってたら、小遣い減っちゃうからね。

課長クラスではなく、部長とか取締役が平社員と食事に行ったら、経済力の差が大きいので100%おごってくれるとは思う。

そのタイ人女性によると、友達同士では会計時は1人が支払をし、店を出た後で精算してることも多いようだ。

タイ人の割り勘事情の結論は「タイ人は絶対に割り勘をしない、とは必ずしもいえない」ということである。

 

タイ・ジャパニーズ・スタジアムでサッカー観戦

タイにもサッカーリーグがあり、トップリーグの名称は「タイ・リーグ1」、略称が「T1」である。

以前は、バンコクのMBKの隣にある国立競技場(National Stadium)を本拠地にしていたクラブチームがあったが、現在ではバンコクの郊外のスタジアムに移転した。そのため、バンコク中心部から気軽に試合を見に行くこともできなくなった。

バンコクで比較的楽に行けるスタジアムは、バンコク・ユナイテッド(Bangkok United)が本拠地とするタイ・ジャパニーズ・スタジアムだろう。

 

 

タイ・ジャパニーズ・スタジアム

バンコク・ユナイテッドのホームスタジアムは、「ไทย-ญี่ปุ่น ดินแดง(タイ-イープン・ディンデーン)」という「タイ・ジャパニーズ・スタジアム」。名称から推測すると日本の援助で建てられたのだろうか。

 

タイ-イープン・ディンデーンという愛称のバンコクスタジアム

タイ-イープン・ディンデーン

 

このスタジアムは陸上競技場以外に体育館など、いろいろな競技の練習施設が豊富な複合施設になっている。

 

スタ飯はスタジアム外の屋台

サッカースタジアムは、よく日本にあるような規模の小さい陸上競技兼用のものになっている。そのため、スタジアム内で飲食物を販売するスペースはない。

というわけでスタ飯は屋外にある屋台になる。競技場の門を出るとルークチンや飲料水を売る屋台があるので、それらを利用することになる。

 

スタジアム外の屋台がスタ飯

屋台がスタ飯

 

コーラなどの飲み物はビニール袋入りで売ってたりする。最近では、バンコク中心部ではなかなか目にすることができなくなっている。貴重で伝統的なタイスタイルの売り方だ。

 

タイ名物のビニール袋に入ったコーラ

コーラ

 

ほのぼのとしたスタジアム

チケットは高くはない。一番安い席なら100バーツ程度だ。

スタジアムに来る観客は女性や子供も多く、意外とほのぼのしている。日本のJリーグでいえばJ2といった雰囲気のスタジアムである。

試合開始が近づくにつれ、サポーターの準備も着々と進んでいく。

 

応援の準備をするホームチームのサポーター

ホームチームのサポーター

 

一応、サポーター同士のいざこざが起きないように、アウェー側のゴール裏には仕切りが設けられている。しかし、観客が少ないので意味がないだ。

タイのサッカーはスタジアムのほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、試合中はガツガツいくスタイルである。タイではイングランドのプレミアリーグが人気なので、同じようなスタイルになるのかもしれない。

 

風雨に悩まされる雨季のタイサッカー

試合の前半は穏やかな天気だったが、後半が始まると強い風が吹き始めた。風でピッチの横に立てられた看板がどんどん倒れてしまうという状況だ。

 

風雨で倒れるバンコクスタジアム内のスポンサーの看板

風で倒れる看板

 

看板がほとんど全部倒れる勢いで強い風が吹き続けた。

風が収まると倒れた看板をスタッフが修復する。スタジアムの看板は、大切なスポンサーの広告である。

風の次は雨。ぽつぽつと降っていたのが、あっという間に豪雨になる。遠くでは、雷も鳴っているという有様だ。

雨季のタイでサッカーをするリスクは雨や風である。選手にとっても観客にとってもハードな環境だ。

タイリーグが開催されるスタジアムには屋根のある席は少ないが、もし雨季にサッカーを見に行くなら、屋根のある席に陣取るのが無難だろう。念のためにポンチョも持参したいところだ。

 

タイ・ジャパニーズ・スタジアムのアクセス

タイ・ジャパニーズ・スタジアムへ行くにはタクシーを利用するのが便利である。最寄り駅はいくつかあるが、BTSのアヌサーワリー駅(戦勝記念塔)ならタクシーが多く、拾いやすい。

また、駅からスタジアムまで2Kmほどなので、Google mapを頼りに歩くのもいいだろう。

タイ・ジャパニーズ・スタジアムでサッカー観戦をした場合、帰りが少々面倒くさい。

タクシーを拾おうとしても、乗客候補が多いので運転手は強気である。また、行き先によっては乗車拒否されることも多々ある。そして、時間が経つにつれ、タクシーの数も少なくなっていくので心細くなる。

タクシーに乗りたいのなら根気よく待つしかない。また、大通りに行くなどして、タクシーの乗車場所を変えることも必要だ。あるいは、最初から最寄りの駅まで歩いて行くという予定にしておいた方が時間のロスがないだろう。

最近はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)にタイのクラブチームが出場し、日本のチームと対戦する機会も多くなった。タイに行ったら、サッカーリーグの試合を見るのもいい思い出になるだろう。

 

【タイ・ジャパニーズ・スタジアムの地図】

 

チェンマイでおすすめのマッサージ屋さん

昔はチェンマイでタイ式マッサージの店を見つけるのは容易なことではなかった。バンコクに比べると、その数はあまりにも少なかったからだ。

今ではナイトバザール周辺を中心に、あちこちでマッサージ店を見かけることができる。マッサージ店が増加すればマッサージの質は落ちてくる。きちんとしたマッサージの技術を持たない者が参入してくるからだ。一時期のバンコクもそうだった。

マッサージ師は女性が多いが、もしマッサージ師を選べるなら、ある程度年が行っている人の方がいいだろう。マッサージが上手い確率が高いからだ。

マッサージ店を選ぶ際に言えるのは、若くて派手な女性が客引きをしていて、店の中が見えないような所は避けるべきである。そのような店では、マッサージの技術が低い場合が多いからだ。

マッサージを受けるなら、ガラス越しにマッサージをしている姿が見えて、おばさんが多いマッサージ店がおすすめである。

それでは、数あるチェンマイのマッサージ屋さんの中で、是非おすすめしたい2軒のお店を紹介してみたい。

 

 

ワット・マハワンの敷地にあるマッサージ店

入口が分かりにくいお寺

ワット・マハワン(Wat Mahawan, Mahawan Temple)はターペー通り沿いにあり、ターペー門からチェンマイ駅の方に向かって右側にあるお寺だ。

入口がかなり狭いので分かりにくいかもしれないが、注意して歩けばお寺の看板に気付くはず。

 

チェンマイにあるワット・マハワンと境内にあるマッサージ店の看板

ワット・マハワン

 

ワット・マハワンの敷地は広くはないが、美しい純白の仏塔がある寺だ。入口が分かりにくいせいか、訪れる人も多くはない。

このお寺にマッサージ屋さんがある。

 

おすすめはフットマッサージ

このマッサージ屋さんでのおすすめはフットマッサージ。フットマッサージは、マッサージ屋さんの建物の軒下で受けるが、椅子に座ると純白の仏塔がちらちらと見える。

お寺の入り口が狭いため、敷地内は閉じた空間となる。しばしの間、チェンマイの市中にありながら喧騒から逃れることができます。純白の仏塔を眺めながら受けるマッサージは、とても心地が良い。

 

チェンマイにあるワット・マハワンと境内にあるマッサージ店の看板

マッサージ店の看板

 

チェンマイ女性矯正施設のマッサージ店

マッサージを受けるには受付へ

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)は、出所間近の女性の服役囚が社会復帰のために職業訓練を行う施設である。

つまり、マッサージ師は刑務所に入っている女性の囚人ということだ。

 

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)内にある人気のあるマッサージ店の看板

チェンマイ女性矯正施設の看板

 

女性の服役囚と言っても、いたって普通の女性である。しかも、出所間近ということもあり、結構明るい雰囲気だ。そして、手に職をつけ、社会復帰することを念頭に、懇切丁寧にマッサージをしてくれるのが特徴と言える。

ここでマッサージを受けるには、まず建物の1階で受付をする。受付を担当するのは女性の刑務官で、皆それらしき制服を着用しているのですぐに分かるはずである。

刑務官から番号札をもらい、マッサージを受ける時間が指定される。指定された時間になると番号が呼ばれ、店内に入るというシステムだ。

 

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)内にある人気のあるマッサージ店

マッサージ店の受付

 

マッサージを受ける際の注意事項

チェンマイ女性矯正施設でマッサージを受ける際には、注意すべきことがある。

  1. 事前に予約はできない
  2. 支店はない
  3. 服役囚の撮影は禁止
  4. 騒がない

2番目の「支店はない」というのは、同じような名称のマッサージ店があっても、それは偽物ということを意味しているものと思われる。受刑者の更生を目的とした施設なので市中のマッサージ店とは異なり、多少厳しくなっている。

 

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)内にあるマッサージ店の注意事項

注意事項

 

隣のレストランがおすすめ

実は、このマッサージ屋さんは非常に人気がある。1時間近く待つこともざらだ。

マッサージ店の隣に「クルア・チュアンチョム(ครัวชวนชม)」という名前のレストランが併設されているので、待ち時間が長い場合、このレストランで過ごすということもでる。

このレストランで働いている女性も服役囚だが、会計は女性刑務官が担当している。このレストランで働く女性達は、会計係の刑務官が近くにいるので若干緊張気味だ。

 

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)内にあるレストラン

レストラン

 

また、施設内にはレストランの他に、受刑者が作った小物類を売るクラフトショップも併設されている。

 

チェンマイ女性矯正施設(Chiang mai Women Correctional Institution Vocational Center)内にあるクラフトショップ

クラフトショップ

 

マッサージの予約時間の3分ほど前までには食事を終え、受付をした建物の前に着くようにすればいいでだろう。

 

営業時間

チェンマイ女性矯正施設のマッサージ店の営業時間は

  • 月曜日~金曜日…午前8時から午後4時半
  • 土曜日、日曜日…午前9時から午後4時半

となっている。

市中の一般的なマッサージ店と大きく異なり、朝早く始まり、終わるのも早いので注意が必要だ。

マッサージを受ける場所は広く、大勢の女性が働いている。彼女たちのマッサージの技術は少なくとも平均以上である。だから安心して任せられるわけだ。

本当は「どうして刑務所に入ったの?」なんてことを聞いてみたいのだが、さすがに聞けるわけもない。しかし、普通に会話をしている限り、本当に極々一般の女性である。

 

【参考記事】 

www.apriori-eye.com