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タイ人の割り勘事情

タイのガイドブックなどに、「タイ人は割り勘で支払わない」と書かれていることがある。

また、「タイ人は絶対に割り勘をしない!」と自信満々に書いてあるタイ関連本もある。こんな時は「わたくし、タイのことには詳しいのよ!」なんていう著者のドヤ顔が目に浮かぶようだ。

しかし、本当にタイ人は割り勘をしないのだろうか?

 

実際に目撃した2つのケース

ケース1

女1人、男5〜6人のグループが食事をしていた。場所は、どちらかというと外国人旅行者が多く来るレストランだ。つまり、ちょっと高めということ。

テーブルの上は料理でいっぱいで、ウイスキーもボトルで注文していた。

見た感じ大学生でもなさそうだし、仕事仲間でもなさそう。年は20代半ばといったところ。大学の同窓生が久しぶりに会い、旧交を温めているというのがしっくりくる。

しばらくすると彼らがお会計をする段になった。

家族連れ以外のタイ人の集団がお会計をするのを見るのは初めてだったので、ものすごく興味があった。

するとどうだろうか。その集団にいる1人の女性が、稼ぎがいいのか、それとも家が金持ちなのかは分からないが、1人でお金を払おうとしているではないか。

私が払うから!

少し払うよ

はっきりとしたやり取りは分からなかったが、上のような会話が交わされていたものと推測する。

その女性の横にいた男性が心配そうな顔をしていたが、その女性は

いいから、いいから

という素振りで、自分の財布からお金を出し店員に渡したのであった。

少なくても3,000〜4,000バーツはしたのではなかろうか。それを彼女1人が払ったのだった。

その光景を見て感動してしまった。その女性の太っ腹に対して。

そして、「やっぱり、タイ人は割り勘はしないんだな〜」としみじみと思ったのだった。

 

ケース2

お昼時のレストラン。ランチタイムのセットメニューが70〜80バーツのお店。決して安くはない。

そのレストランで食事を終えたばかりの3人組が談笑していた。日本でいえば課長位の上司(男)と若い女と男の部下っていう感じだろうか。

このお会計も興味しんしんだった。上司が全部払うのか、それとも割り勘なのか。いくら上司とはいえ、家計は厳しいだろうからね。

さて、店員さんが通路側に座っていた女性の部下に伝票を渡した。彼女は、ちらっと伝票をチェックし、すぐに隣の上司に渡した。彼の部下2人は全く支払う気なし

「上司のおごりだと分かっていても、財布を出して少しは支払う気を見せなきゃ」と、こっちが心配になってしまう。彼の部下は、日本だったら出世は難しいかもしれない。

しかし、ここはタイ。上司は薄い財布から札を数枚取り出し、店員に渡した。

その上司、しばらく自分の財布の中身を眺めていた。心の中では、ため息をついてんだろうな〜と想像できる。タイでは、おちおち部下を食事に誘えないわな、これじゃ。

「昼飯くらい、割り勘にしようよ…」と、その課長さんらしき上司に同情するのであった。

 

タイ人に割り勘事情を確認する

実際に目撃した2つのケースから「やはりタイでは割り勘はないのだ。上の人やお金を持ってる人が全部支払いをするんだな」と確信した。

ところがである。この2つの話をあるタイ人女性に話したところ、ケース1については、

あり得ない!…ちゃんと外まで見に行った?絶対にお金のやり取りしてるから(つまり精算?)!

…だけど、その女性、全然お金を受け取るような感じじゃなかったよ

信じられない!…本当だとしたら、すごい!あなたもそんな女友達欲しいでしょ?

もちろん欲しい。

また、ケース2に関しては、

上司が払う確率は80%くらいかな

ということだった。

つまり、必ずしも上司がおごるわけではないようだ。約5人に1人の上司は、難局をうまいこと切りぬけているようなのだ。

毎日部下に昼飯おごってたら、小遣い減っちゃうからね。

課長クラスではなく、部長とか取締役が平社員と食事に行ったら、経済力の差が大きいので100%おごってくれるとは思う。

そのタイ人女性によると、友達同士では会計時は1人が支払をし、店を出た後で精算してることも多いようだ。

タイ人の割り勘事情の結論は「タイ人は絶対に割り勘をしない、とは必ずしもいえない」ということである。