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チェンマイの幻想。イーペンランナーの夜空を舞うコムローイに惑う

チェンマイの見逃せないイベントの一つであり、外国人観光客、とりわけ日本人に人気なのがロイクラトンの時期に催されるイーペン・ランナー・インターナショナル(Yeepeng Lanna International)だ。 

イーペン・ランナー・インターナショナルはロイクラトンと同時期に行われるイベントであるので、ロイクラトンと混同してしまいがちではあるが全く異なるものである。

コムローイを上げる祭りを「イーペン祭」と呼ぶが、イーペン祭には2種類ある。イーペン・ランナー・インターナショナルとイーペン・サンサーイである。 

イーペン・ランナー・インターナショナルは外国人観光客のための催しで、祭りというよりはイベントに近い。海外からの観光客は通常こちらに参加することになる。一方、イーペン・サンサーイの方は地元の人向けのイーペン祭である。 

イーペン・ランナー・インターナショナル(以後「イーペンランナー」)の目玉は、ランタン(タイ語で「コムローイ」あるいは「コームローイ」と言う)に火を灯し、気球のように上げることである。夜空に放たれたコムローイが舞う光景は幻想的でとても美しい。

 

Yeepeng Lanna International - Chiang Mai - Thailand

 

イーペンランナーの参加方法

イーペンランナーが行われる会場に入るためには、チケットが必要である。このチケットは高額で、1枚約USD100もするのである。チケットの値段はしょうがない。行きたければ買うしかないのである。

ところが、このチケットを個人で手に入れるのは非常に難しい。チケット発売と同時に旅行代理店が買い占めてしまうからである。チケットが入手できないとなると、イーペンランナーは旅行代理店が取り扱うツアーで参加することとなる。 

ツアーには2つの選択肢がある。

  1. あらかじめイーペンランナーが日程に含まれている日本発のツアーに参加する
  2. チェンマイまでは個人で行き、チケットと送迎が付いた現地発のツアーに参加する

自分の旅行の日程さえ合えば日本からのツアーに参加するのが楽であるが、チェンマイに長く滞在したい場合や、チェンマイ以外の場所も観光したい場合などは、チェンマイ発イーペンランナーのツアーに参加する方が都合がよいだろう。 

チェンマイ発イーペンランナーのツアーは現地の旅行代理店に申し込むのだが、ネットで予約から支払いまで済ませることができるので手続きは簡単である。支払いの際クレジットカードが使用できない場合でも日本国内の銀行が支払先として指定されており、銀行送金の手続きも容易だ。 

イーペンランナーのツアーを扱っているチェンマイの旅行代理店には次のようなものがある。定期的にチェックしてみるといい。ツアーの値段も似たり寄ったりである。

 

chiangmaitravel.jp

 

chiangmaihappytour.com

  

また、ウェンディツアー(Wendy Tour)やパンダバス(Panda Bus)などの旅行代理店が、バンコク発のツアーを売り出すこともあるので、バンコクとチェンマイ間の移動の手配も一括して申し込みたい時などは便利であろう。

ただし、バンコクとチェンマイの間の移動に関しては、自分で手配した方が安いとは思う。

 

www.wendytour.com

 

タイ・バンコクの現地オプショナルツアー・観光ツアー予約-パンダバス【バンコク】

 

イーペンランナー、実際の流れ

イーペンランナーはチェンマイ中心部からちょっと離れたメージョー大学(มหาวิทยาลัยแม่โจ้、Maejo University)の敷地で行われる。

ツアー参加者は、チェンマイ市街地からツアー主催者が用意するバスでメージョー大学まで行くことになる。

 

注意:Google mapでは「メージョー大学」と表記されているが、実際のタイ語では「メーチョー大学」の方が近い。

 

集合時間は時間厳守で!

ツアーの参加者は、あらかじめ集合時間と集合場所が連絡される。集合場所はチェンマイ市内に数ヶ所あるが、チェンマイ中心部のホテルに宿泊する場合は、3人の王像のある広場を指定される可能性が高い。

時間になると広場にはガイドさんが待っており、ツアー参加者が来たかどうかのチェックをする。 

ここで注意すべき点は、集合時間に遅れないことである。ツアーのバスは道路の混雑を避けるため早めの出発をするが、15分遅れただけで最終的にイーペン・ランナー会場への到着が30分、1時間の遅れとなる場合もある。是非時間厳守で集合したいところである。

 

バスの中でチケットを受け取る

バスに乗り込むと、車内でガイドさんからイーペンランナーのチケットが渡される。ポストカードや切手なども付いている。

その後、ガイドさんはイーペン・ランナーに関するお話をしてくれる。例えばイーペンランナーの時は航空機の運航を中止していることなどなど。イーペンランナーを開催するには、事前に相当な根回しが必要なことが分かる。

 

会場到着

バスはメージョー大学の観光バス用の原っぱのような臨時駐車場で止まる。ここでバスを降りて2~3分も歩くとイーペンランナーのメイン会場に到着する。

座席はすべて指定されており、3人一組の座席配置となっている。これはコムローイを上げる時、3人で協力した方が上げやすいからである。もちろんコムロイは人数分、すなわち3つ用意されている。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルの会場

イーペン・ランナーの会場

 

お弁当とお土産を受け取る

メイン会場を出た向かいに、少しにぎやかな一角がある。ここに入るにはチケットを見せる必要があるが、中に入る際にお弁当と水、そしてちょっとしたお土産がもらえる。

お弁当以外にも食べ物が何種類か用意されており、自由に食べることができる。ただし、長い行列ができているので取るのが大変である。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルでの食事

イーペン・ランナーでの食事

 

食事の会場にはシートが敷かれ、腰を下ろして寛ぐことができる。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルでの開始前の一時

イーペン・ランナー開始前の一時

 

また、タイ舞踊などの催し物もあり、イーペンランナーが始まるまでの時間つぶしによい。というよりも、イーペンランナーの開始時刻まで時間を過ごせるのはここしかないというのが実際のところだ。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルでの様々な催し

イーペン・ランナーでの催し

 

指定された座席に着席

夕刻になると混雑を避けるため、イーペンランナーが始まるだいぶ前に指定された座席に着くよう促される。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルの夕刻の会場

夕刻のイーペン・ランナー会場

 

しばらくするとイベントの開始となるのだが、ここからが予想外の展開となる。

たくさんの僧侶が来場し、その内の1人が式辞を述べる。その後即「お祭り開始!」というような流れになるのかと思いきや、全く違う。

延々と仏教的な儀式が続くのである。そこには瞑想や説法のようなものなども含まれる。 

仏教の儀式はいいのであるが、さすがに1時間も過ぎると「えっ、まだ続くの?」などと不浄な考えが頭をよぎってしまう。実際のところ、他の観客も早くコムローイを上げたいので、集中力がなくなり、そわそわしてしまうのである。

 

コムローイに点火

儀式が終了し、いよいよお待ちかねのコムローイへの点火が始まる。

やはりコムローイを上げるのは1人では難しい。最低でも2人は必要である。同じ3人一組の席となった人と協力しコムローイに点火し、夜空へ放つ。夜空に舞い上がるコムローイの大群は、非常に幻想的だ。 

イーペンランナーも終盤にさしかかると意外なサプライズが用意されていた。花火が打ち上げられるのである。コムローイが花火に吸い込まれるような感じが美しい。花火とコムローイの組み合わせは絶対に見逃せない。 

宙を舞うコムローイを写真で撮るのは非常に難しい。ぶれてしまったり、ぼけてしまったりするのだが、花火の放つ光のおかげで結構きれいに撮れるのが嬉しい。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルでのメインイベントであるコムローイあげ

コムローイへの点火と宙に舞うコムローイ

 

チケットを入手できない場合の裏技

イーペンランナーのツアーは人気があるので、ツアーに申し込もうと思っていたのに売り切れていた、などということは多々ある。チェンマイの旅行代理店でも随時追加販売をするが、最終的にはほぼ完売してしまうようである。 

それではツアーには参加できないが、コムローイが舞う光景を見てみたいという時はどうすればよいであろうか?

 

イーペンランナー会場近くの川沿いに集合

イーペンランナーのチケットが確保できない場合は、とりあえずイーペンランナーの会場近くまで行ってしまうのである。

もちろんチケットがなければ会場には入れないのだが。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナルの会場入口でチケットをチェック

会場入口でチケットをチェック

 

イーペンランナーの会場には入れないが、会場のそばに小さな川が流れており、両側が小さな土手になっている。

チケットを持っていない、あるいはツアーに参加していない人たちは、その川の向かい側の緩やかな土手の部分に集まりイーペンランナーを楽しむのである。

これも結構楽しそうである。チェンマイ市街地で調達したのであろうか、コムローイを準備している観光客も多い。

 

チェンマイで開催されるイーペン・ランナー・インターナショナル会場の近くの川で見学する人たち

近くの川で見学する人たち

 

早々と盛り上がる川沿いの人たち

実は、イーペンランナーの会場内では仏教儀式が厳粛に行われている最中、川沿いに陣取った観光客が早々にコムローイを上げ始め、歓声が沸き起こっているのが聞こえるのだ。

もちろんコムロイが上がっていくのも見えるので、「外は楽しそうだね」などと、仏教の儀式でかしこまっている隣の人と話していた。 

川沿いで見るのも、それほど悪くない選択肢かもしれない。

 

チェンマイ市街地からの移動手段を確保する

イーペンランナーを川沿いから楽しもうとする時に問題になるのが、チェンマイ市街地と会場のあるメージョー大学の間の移動手段である。

運転手付きの車やタクシー、ソンテオなどをチャーターしてしまう方法もある。ただし、イーペンランナー当日のチャーター代は通常料金とは異なり、かなりの料金の値上げがあることは覚悟しなければならない。 

また、一応大学のある場所なので、何らかの公共の交通機関があるはずである。実際、帰りのバスから外を見ていたら、途中にソンテオ乗り場があり、そこからソンテオに乗って帰る人たちもいた。

公共の交通機関に関しては、事前に宿泊しているホテルの人などに聞けば詳しい情報が得られるだろう。 

チケットを持っていなくても、ツアーに参加してなくても、イーペンランナーの日にチェンマイに滞在しているなら諦めずにトライしてみるのもおすすめである。

 

 

イーペンランナーに関連する特記事項

飲み物の用意

イーペンランナーでは食事は用意されており、水ももらえる。これらの心配をする必要もないのだが、移動時間やイーペンランナー開始までの時間を含めると、意外と長時間に及ぶツアーとなる。

そのため、別途飲み物を用意しておいた方がいいだろう。

 

蚊が出没するので虫よけスプレーを

イーペンランナーの会場の周辺は意外と田舎の雰囲気で、川があり、林もある。そのため蚊が出没するので、気になる人は虫よけスプレーを持って行くといい。

 

イーペンランナー時のホテルの予約について

チェンマイは宿泊施設が多いので、それ程心配する必要はない。

ただし、ロイクラトンの時期でもあるので、通常よりは観光客が多い。また、中国でチェンマイを舞台にした映画が公開された後、チェンマイ人気が高まり、中国人観光客が、通常の日でも非常に多くなった。

そのため、とにかく泊れればいいという人は別だが、それなりのホテルに宿泊したい場合は、早めに予約した方がいいだろう。

 

チェンマイの中心部でコムローイを上げる

イーペンランナーに参加した場合はコムローイ上げを体験でき、コムローイが舞い上がる美しい光景を真下から見ることができる。

それでは、「イーペンランナーには行けなかった。だけど、是非コムローイ上げを経験してみたい」という場合はどうしたらよいであろうか?どこかでコムローイを上げることは可能だろうか?

 

ロイクラトンの時期、1日だけコムローイを上げることができる

実は、チェンマイの市街地でも、1日だけコムローイを上げることができるのだ。チェンマイ市内には、コムローイを上げてもよい日時が告知している案内が所々立っている。

このような告知はタイ語で書かれているので、詳細はホテルの従業員に確認すれば教えてくれるだろう。

時間は通常「午前10時からお昼の12時まで」と「夜の9時以降」となっている。昼間にコムローイを上げる人はいないだろうから、実質的には夜9時以降となる。 

ただ、この告知は「この日のこの時間にはコムローイを上げてもいいですよ」という優しい許可というよりも、「指定された日、指定された時間以外はコムローイを上げるなよ!」という警告に近い。 

このような警告にもかかわらず、ロイクラトンの時期に滞在したホテルの窓からは、毎晩コムローイが上がっているのを眺めることができた。さすがに指定された日以外はコムローイの数は少なかったが。

 

コムローイを上げる場所

コムローイを上げる場所は、チェンマイ市街地の何ヶ所かで行われる。

例えば、ターペー門付近の広場と3人の王像がある広場の脇にあるワット・インタキン(วัดอินทขีลสะดือเมือง、Wat Inthakhin、インタキン寺)は結構な人が集まるお寺だ。 

ワット・インタキンの前では、少年僧が水に浮かべるクラトン(灯ろう)とともにコムローイも販売している。少年僧以外にもコムローイ売りがいるので、コムローイはすぐに手に入れることができるだろう。

 

チェンマイのお寺でクラトンとコムローイを売る少年僧

クラトンとコムローイを売る少年僧

 

値段も手頃なので、買ってみるのもおすすめだ。

ワット・インタキンは小さいお寺で、お寺の敷地も狭い。しかし、夜11時を過ぎてもコムローイを上げようとする人々でにぎやかであった。 

コムローイを上げる際に注意しなければならないのは、1人で上げることは無理だということである。最低でも2人は必要だ。もし1人で行った場合は、周りの人に声をかけて手伝ってもらわなければならない。

また、コムローイを上げる前に着火しなければならないので、ライターなどを持って行った方がいいだろう。ただし、マッチでは厳しいと思う。 

ワット・インタキン程のにぎわいはないが、ターペー門でもコムローイ上げが行われている。 

イーペンランナーで無数のコムローイが上がる光景を見るのもいいが、コムローイが1つだけ夜空に上がって行く光景もいいものである。コムローイが上がるにつれ、だんだんと小さくなり、まるで暗い夜空に吸い込まれて行く様に、なぜかわびさびを感じてしまう。 

イーペンランナーに行けない方は、チェンマイの中心部でコムローイを上げてみるのもいいのではなかろうか。

きっと旅のいい思い出になるはずである。

 

チェンマイ市内の中心部でコムローイを上げる人々

チェンマイ市街地でコムローイを上げる