ロイクラトン(ลอยกระทง、 Loy KrathongあるいはLoi Krathong)は、毎年陰暦12月の満月の夜に行われるタイの雨期明けのお祭りである。現在の暦だと10月~11月にあたる。
ロイクラトンの時期はタイ各地でお祭りが行われるが、中でもスコータイのロイクラトンが有名である。
ロイクラトン発祥の地 スコータイ
ロイクラトンはタイの灯籠流しのお祭りだ。バナナの葉を蓮の形にし、それを川に流し川への感謝を示すというもので、13世紀のスコータイ王朝の時代に始まった。そのため、スコータイはロイクラトンの発祥の地とされている。
現在でも灯籠を流すことはロイクラトンの重要な要素の1つではあるが、それに加え様々なイベントが行われ、大規模なお祭りになっている。
遺跡公園が舞台のロイクラトン
スコータイのロイクラトン祭りの正式名称は、「スコータイ・ロイクラトン&キャンドル・フェスティバル(Sukhothai Loi Krathong & Candle Festival)」と言い、スコータイの旧市街にある遺跡公園(歴史公園)で行われる。
数多くの遺跡に囲まれた場所で行われるフェスティバルというのがポイントで、楽しい雰囲気で素晴らし祭りだ。
祭りの期間中、公園内に様々な屋台が所狭しと出店され非常ににぎわう。
遺跡公園に大勢の見物客が集まるのは夕方からである。公園内の各エリアでは様々なイベントが行われ、象乗りなども体験できる。
日が暮れるにつれ、スコータイ遺跡公園には明かりが灯ってくる。また、公園内の遺跡もライトアップされ、昼間とは打って変わり幻想的な光景となる。
公園内にはいくつかの池がある。池の水面に映る光がシンメトリックになっている様子が美しい。
遺跡公園内の一角にある小さな池のほとりでは、クラトン(灯籠)を浮かべる人たちの姿を見ることができる。
メインイベントは光と音のミュージカルショー
スコータイのロイクラトン祭りのメインイベントは、スコータイ王朝の歴史を再現した光と音のミュージカルショーである。
これは遺跡を背景に野外で行われる光と音をふんだん使った劇で、出演者の人数も多い。また、象も出演するという壮大な野外劇だ。
ロイクラトンの時期のスコータイに来たからには、これを見逃す手はないだろう。
ショーのフィナーレには花火が打ち上げられ、遺跡を舞台にした野外劇はクライマックスに達する。
光と音のミュージカルショーが終了すると舞台で出演者が並んでおり、気軽に撮影に応じてくれる。しかし、出演者と一緒に記念撮影をする者も多く、写真を撮るのもなかなか大変ではある。
光と音のミュージカルショーを見る方法
前売り券
光と音のミュージカルショーを見るにはチケットが必要だ。毎年、前売りチケットが販売されるのは5月ぐらいからだが、正確な日にちはタイ国政府観光庁のウェブサイトで告知される。
【タイ国政府観光庁のウェブサイト】
前売りのチケットはタイの「ぴあ」に相当する「Thai Ticket Major」で予約、購入する。もちろん、オンラインでも購入可能だ。しかし、これはちょっと不便かもしれない。
オンラインで購入後、指定された期間内にチケットを受け取らなくてはならないからだ。チケットを受け取る場所は、タイにあるThai Ticket Majorの店舗である。受け取れる期間は長く設定されているが、それでもロイクラトン祭りの1週間から10日前までが最終期限となっている。
【Thai Ticket Majorのウェブサイト】
https://www.thaiticketmajor.com/index.html
当日販売
前売りチケットの購入は、タイ在住者か、あるいはロイクラトン祭りの相当前にタイに入国できる場合を除いて現実的ではない。
前売りチケットを購入できない場合は、光と音のミュージカルショーが行われる当日に、スコータイ遺跡公園でチケットを購入することになる。ショーは数日間に渡り行われるので、当日チケット売場に行っても購入できる可能性は十分ある。
チケットを購入できない場合
ミュージカルショーのチケットは、ショーが行われる舞台から近い場所に座席を確保するというものである。これは、日本の有名なお祭りの桟敷席のようなものだ。
ミュージカルショー自体は野外で行われるので、舞台からは多少離れるものの、チケットがなくてもショーの雰囲気は十分味わえる。
つまり、チケットがないからといってショーを見ることができないということではない。チケットがない場合は離れた所から立ち見で見学すればいいだけだ。
遺跡公園の近くのお寺も美しい
スコータイの新市街から遺跡公園へ向かう途中に「ワット・トラバン・トーン・ラーン(Wat Traphang Tong Lang)」というお寺がある。このお寺のライトアップもきれいなのでおすすめだ。
スコータイ遺跡公園から、徒歩5分ほどの所にあるお寺なので、遺跡公園に行く前か帰りにでも立ち寄ってみるといいだろう。
【ワット・トラバン・トーン・ラーンの地図】
【参考記事】