インターネットでは、通常は使用しない言葉が使われることが多々ある。ネット上の「スラング」のようなものだ。それは日本だけではなく、世界のどこの国でも同じで、もちろんタイでもネットスラングがある。
タイ人は「555」という表現を掲示板やチャットなどでよく使う。いったい「555」という表現は何を意味するのだろうか?
タイプミスではなかった「555」
タイ人とチャットをしてる時、急に「555」という返事がきたことがあった。その時は意味が分からなかったので、きっと相手のタイプミスだろうと思い、そのままチャットを続けた。
しかし、2回目に「555」と返された時は、「これはもうタイプミスではないだろう。何かを意味しているに違いない」と感じたのであった。そして、素直にチャット相手のタイ人に質問してみた。
「555って、どういう意味?」
すると、そのタイ人は「笑っていることを表している」と説明してくれた。しかし、なぜ「555」が笑うことを意味するのだろうか?疑問に思ったので、更にタイ人に質問をしてみた。
タイ語の「555」は「草」だった
そのタイ人が説明してところによるとこういうことであった。
タイ語で数字の「5」は「ห้า」です。「ห้า」は「ハー」と発音する。そして「ห้า」を3つ並べると「ハーハーハー」となり、それで笑い声を表す「555」となるということだった。ある意味、タイ語の強みを生かしたような表現であろう。
「555」とは、チャットや掲示板で「ハハハ」と笑いを表すタイ語独特のネットスラングである。英語の掲示板では「hahaha」という表現を見かけるが、それと同じ意味だ。
日本人もチャットや掲示板で「ハハハ」を使う。いや、「ハハハ」よりは「w」や「笑」の方が多く使われているかもしれない。それどころか、日本では「w」を草に見立て、「草生えた」とか「草生える」、あるいは単純に「草」という高度に派生した表現さえある。
タイ人の使う「555」は、日本人が使う「w」や「笑」と同じ意味なのであろう。「555」という表現は応用が効き、「5555」になったり「55555」になったりすることもある。「wwww」や「wwwww」と全く同じである。当然、日本と同様、「5」の数を多くすることは、笑いの度合いも増していることを意味する。
意外と市民権を得ている?
この「555」という表現だが、テレビの字幕にも使われている。黄色い丸で囲った部分は録音笑いである。
日本では笑いの部分を「www」という字幕にはしないだろう。タイ語の「555」は市民権を得ているとも考えられる。
Instagramのハッシュタグがひどすぎる
タイ人はInstagram(インスタグラム)が大好きだ。そこで、インスタグラムで「555」を検索してみると、下のようなタグの検索結果が表示された。
「5」が4つ5つ並ぶくらいまでは、まあ分からなくもないが、さすがに「笑」が多すぎだろ、と突っ込みたくなってしまう。それにしても5を7個連続させたハッシュタグに、約9万件の投稿があるのだから大したものだ。
ハッシュタグを見ただけで、草が生えそうではないだろうか?