淡水は台北の隣の新北市にある。台北から行くにはちょっと時間がかかるものの、地下鉄が直通で走っているので、決して不便な場所ではない。
観光で訪れる場所としては、九份(きゅうふん)などと比較するとプライオリティが低いかもしれないが、2度目、3度目の台湾では外せない観光スポットだ。
実は、淡水に奇妙な博物館がある。この淡水のB級スポットとでもいうべき博物館を紹介してみたい。
淡水の魅力は昔ながらの観光地の雰囲気
時にはパフォーマンスもある淡水
台湾の淡水は、外国人観光客というよりは台湾人にとって憩いの場である。週末ともなると大勢の人がここを訪れ、思い思いに時を過ごすのである。
下の写真のように「スタチュー」という銅像のように動かないというパフォーマンスなどが行われることもある。
このパフォーマーは基本的に動かないのだが、チップをあげるとゆっくりと手を動かし握手してくれる。
雑踏の中で絵画を描くという高尚な趣味の人もいる。周りを人がウロチョロしているので、集中力が必要だろう。
淡水のB級グルメ
「淡水の夕日は美しい」とガイドブックには書かれているかもしれないが、いざ淡水に来てみると夕日などどうでもよくなってしまう。
淡水の魅力は、昔ながらの観光地然としたところにあるのではないかと思う。
淡水河に沿って露天のような店が立ち並び、怪しげ雰囲気ながらも、美味しそうな食べ物を売っている。また、日本の射的場みたいなものもあり、本当にわくわくしてしまう所である。
露店で買った食べ物をほおばりながら街を散策する。それこそが淡水の醍醐味ではないかと思う。
奇妙な捜奇(そうき)博物館
紅毛城から淡水駅に向かう途中、奇妙な外観をした建物がある。看板には「捜奇博物館」とあり、少しではあったが人だかりもできていた。
捜奇博物館。多少ながらも意味が分かる。名称からしてB級スポットの香りがする博物館だ。特に「奇」という字がいい。
博物館前の装飾や立て看板などを見れば、中に入りたいという衝動に駆られるはずだ。
台湾の子供が興味を示していたが、その子の親が「こんなとこ、駄目!」みたいな感じで、子供の腕を引っ張って行った。その子供は残念そうな顔をしていた。
B級感にあふれた展示物
博物館というよりは見世物小屋のような捜奇博物館であるが、中に展示されていた物を一部紹介してみたい。
写真左上:4本足の鶏。これは本物なのか?4本足は奇形であり得ないこともない。しかし、後ろの2本足はとってつけたような感じがしてならない。
写真左下:これは明らかに作り物である。
写真右上:昔の貞操帯らしい。説明書きには「貞操」などという漢字が書かれている。
写真右下:お尻の椅子。ちょっとやっつけ感がする。
楽しそうな酷刑
下の右上の写真は、人の皮膚に烙印を押す時に使用するコテのようなものである。酷刑(こっけい)という刑罰を受けた際に使用されるものだ。
「酷刑」というのは残酷な刑罰のことで、想像しただけで恐ろしそうな罰だ。
ところが、烙印を押された方は、どうも楽しそうなのだ。これでは罰を受けるために喜んで悪事を働きそうだ。
所狭しと並ぶ展示品
捜奇博物館の中は広くはない。そして、その狭いスペースに胡散臭い写真や本物かどうか得体の知れない物が多数展示されている。
まさにネーミングといい、展示物といい、B級スポットの王道ともいえるような博物館である。また、「博物館」と名づけてしまう、その大胆さがいいではないか。
こんな捜奇博物館であるが、台湾の淡水に行った時は是非奇々怪々な雰囲気を堪能してみてほしい。
歩くのが楽しい淡水の繁華街
捜奇博物館の周辺一帯は、結構な繁華街となっている。道沿いに土産物屋が立ち並び、淡水河周辺の露天街と同じく散策が楽しい場所である。
コットンやサテンでバッグや雑貨類を製造販売している有名なタイのNaRaYa(ナラヤ)の店もある。
NaRaYaのウェブサイト
淡水には紅毛城という観光スポットがある。もちろん紅毛城には行くべきである。ここからの淡水河の眺めも素晴らしい。
しかし、紅毛城もあるけれど、淡水では街自体を十分に楽しむべきなのだろうと思う。