日本に来る観光客、あるいは日本に住んでる外国人で、自国では洋式のトイレを使用している人たちが、トイレのドアを開け、目の前に和式のトイレがあった時には絶望を感じるそうである。
今では日本人でさえも和式トイレを苦手とする人も多いので、外国人ならなおさらのことだろう。
和式のトイレのことを英語で「squat toilet(スクワット・トイレ)」と呼ぶ。スクワットという単語を使うなんて、いかにも辛そうな感じがしないだろうか?
しかし、スクワット・トイレは、日本だけではなく、意外と広範囲な国で使用されている。
ギリシャのトイレ事情
ギリシャのトイレは、通常は便座に腰掛けて用を足す洋式タイプだ。ホテルに宿泊しても洋式タイプしか見ることがないだろう。
しかし、思いがけない所でトルコ式トイレに遭遇することがある。トルコ式トイレというのは、しゃがんで用を足すスクワット・トイレのこと。
トルコ式トイレは、公衆のトイレに多い。ギリシャでは、公衆トイレと言っても入口に人がいてお金を払う有料の所も多いのだが、お金を払ったのにもかかわらずトイレがトルコ式だとガッカリしてしまう。
このようなトイレが外国人観光客が多い場所にもあるので、トルコ式のトイレが初めての人はびっくりするかもしれない。特に青い海と空に白い家の美しいイメージのサントリーニ島などで見かけると、驚きも一層強くなることであろう。
各地に残るトルコ式トイレ
サントリーニ島フィラのバスステーションにあるトイレ
フィラのバスステーションは、フィラの中心からすぐ近くにある。ある意味、おしゃれな街の一角にあるバスステーションだ。
多くの観光客が、フィラから人気のイアの街やレッドビーチなどの観光スポットへ行くのにバスを利用する。
このバスステーションの端っこの方に、ぽつりとトイレの建物がある。フィラの街を散策中にお腹にきた時などに便利なトイレだ。
このトイレの入口には、おばちゃんが座っている。つまり、有料トイレということ。
おばちゃんに料金を支払いトイレに入ると、そこに見えるのはトルコ式の便器。その瞬間、がっくりきてしまう。まさに、これから使おうとする時に、和式のトイレを目にした外国人の絶望感に共感する一時かもしれない。
特に、有料トイレでトルコ式というのは、精神的にも肉体的にもダメージが大きいものだ。何といっても「スクワット・トイレ」なのだから。
夕日で有名なイアのバスステーションの近くにも有料トイレがあるが、こちらの方は洋式だったので、当然フィラのトイレも洋式であろうと勝手に思っていた。ところが、予想は外れた。まさかサントリーニ、しかもフィラでトルコ式のトイレを見るとは思ってもいなかった。
トルコ式トイレが苦手なら、フィラからバスを利用する前にホテルやレストランなどで用を足してからフィラのバスステーションに向かうことをおすすめする。
メテオラ観光の拠点、カランバカ駅のトイレ
アテネからメテオラ(Meteora)へ列車で行く場合、終点のカランバカ駅(Kalambaka)で列車を降りる。カランバカという街がメテオラ観光の拠点だからだ。そのため、外国人の利用客も多い駅である。
しかし、メテオラというギリシャ内陸部の有名観光地が近くにありながら、カランバカ駅はとても小さな駅。アテネからの長旅の後、列車を降りると「こんなものなの?」と驚くかもしれない。
アテネとカランバカを結ぶ直通の列車は1日1本と少ないし、それほど大きな駅は必要ないのだろう。そして、アテネからの直通が少なく不便なので、メテオラはバスツアーの方が人気があるのかもしれない。
列車を利用した場合のメテオラの玄関口となるカランバカ駅であるが、トイレには注意した方がいい。
この駅にあるトイレもトルコ式だ。一応、カランバカ駅のトイレは無料ではあるが。
トルコ式トイレがダメな人は、カランバカ駅に向かう前にレストランなどでトイレの用を済ませておく方がいいだろう。
トルコ式トイレに対処する
ギリシャのトイレはトルコ式が多いというのは、昔から言われていたことである。公衆のトイレのみならず、レストランのトイレでもトルコ式トイレを覚悟したものだ。
しかし、アテネオリンピックやEU加盟を経て、現在のギリシャのトイレ事情は、昔と比べたらはるかに状況が良くなっているのは事実である。公衆のトイレにも洋式の便器を使用する所も多くなった。
しかし、まだトルコ式トイレを覚悟しなければならない場面も多いのも、これまた事実。このタイプのトイレが苦手な人は多いかもしれないが、うまく付き合うしかない。
どうしてもだめな時は、ホテルやレストランでこまめにトイレに行くことが肝要である。