烏来(ウーライ)は台北の南にある温泉郷であり、新北市(Xinbei)に属する。
台北周辺を旅行すると、いろんな観光スポットが新北市にあるという印象があるが、それもそのはず、地図を見ると新北市は台北市をぐるりと囲んでいるからである。
その烏来には台湾の原住民であるタイヤル族(泰雅族、Tayal、Atayal)が住んでおり、タイヤル族に会える酋長文化村という施設を訪れるツアーに参加してみた。
酋長文化村は土産物屋だった
トロッコで酋長文化村へ
ツアーは、台北の集合場所で観光バスに乗ることから始まる。そして、バスで鳥来まで行く。
結構ツアー参加者がいるものだと驚いたが、JTBなどのパッケージツアーに酋長文化村が組み込まれているようである。
鳥来に着くとバスを降り、トロッコに乗車する。かなり年季の入った古いトロッコで、まるでおもちゃのような乗り物である。
トロッコは、ガタゴトとゆっくり進んでいき、目的地に到着した。トロッコに乗っている時間は、それほど長くはない。
トロッコを降り、しばらくガイドさんの後を付いて歩くと、滝の流れる渓谷を見渡せる、見晴らしのいい場所にでた。
酋長文化村に到着
その見晴らしのいい場所には、きれいな民族衣装を着たタイヤル族の若者が何名かおり、記念撮影に応じていた。
酋長文化村は、タイヤル族の若者が写真撮影に応じていた場所の真ん前にある。しかし、酋長文化村とは単なる土産物屋であった。
見間違えることはない。土産物屋である。タイヤル族の文化を学ぶ、という高尚な目的でツアーに参加したはずなのに、こんなことになるとは思いもよらなかった。
てっきりタイヤル族の伝統の家屋や工芸品などが見れる場所だと思っていたからだ。みぞおちに軽くパンチを食らったようだ。
しかし、店の前に「酋長歌舞劇場」という看板がある。
これこれ。これがこのツアーのメインだ。この酋長歌舞劇場でタイヤル族の文化に触れることができるんだよ、と気を取り直したのであった。
タイヤル族のおばさんと美女
タイヤル族のおばさんのトーク
しばらく風景を楽しんだり、タイヤル族の若者と記念写真を撮った後、ツアー一行は土産物屋の中に入り、タイヤル族のおばさんの話を聞くこととなった。このおばさんは日本語がペラペラである。
戦時中、タイヤル族が日本人と一緒に戦ったことや、そのせいで、今も日本人がたくさん酋長文化村へ来ることなど、ジョークを交えながら長々と喋るのであった。
おばさんの話が終わりと、お買い物タイムとなる。
店内では民芸品制作の実演もしており、見ているとそれなりに楽しい。また、民芸品のデザインもきれいで独特だ。
タイヤル族の美女
酋長文化村にいるタイヤル族の若者は、就職のため台北などの他の都市に出て行ってしまうそうだ。そのため、この地の残った貴重な若者を年配者はありがたがっている。
その貴重な若い女性は、きちんと化粧しているせいもあるのか、美人が多い。
酋長文化村の店内を見学している時、機織りを実演しているタイヤル族の若い女性にカメラを向けると、ニコッと微笑んでくれたりする。
観光客に見せるため、織ったふりをしているだけなのだろうが、きれいな衣装や装飾品を身につけているので、とてもフォトジェニックな光景となる。
このような美女の笑顔と写真を撮らせてもらったお礼に、土産の1つくらい買っもいいのではないかと思う(実際に買ってしまった)。
タイヤル族の踊りを鑑賞
酋長歌舞劇場へ移動
買い物タイムも終わり、いよいよタイヤル族の踊りの鑑賞である。
ツアー一行は土産物屋の上階にある酋長歌舞劇場に移動した。酋長歌舞劇場は、ちょっと怪しげな小劇場といった感じだ。
タイヤル族の踊りは、決して派手ではなかったが、何種類かの踊りを堪能することができた。
タイヤル族の踊りは非常に良かった。この踊りを見れるだけでもツアーに参加する意義があると思う。
最後はみんなで踊る。写真もあるよ!
タイヤル族の踊りのショーのクライマックスは、見物客も一緒に踊るというものだ。ほぼ全員が席を離れ、タイヤル族の人に踊り方を教えてもらいながら、お遊戯のような踊りを楽しんだ。
しかし、ここで落ちがある。踊っている時に写真を撮られるのである。そう、踊りが終わると現像された写真を売るのである。ディズニーランドなどの遊園地にある、あのシステムだ。
せめて出口に写真が置いてあるのなら無視もできるが、閉じた空間で直接言われたら買わざるを得ない感じ。
とはいえ、タイヤル族と触れ合えて、結構楽しいツアーである。何度目かの台湾におすすめのツアーだ。