ロシアと旧ソ連に属していた一部の国では、高校の卒業式を派手に祝う習慣がある。その卒業式の写真や動画がネットに流れ、派手な衣装を着た高校生が楽しそうなのだ。
このロシアの卒業式の習慣について紹介してみたい。
Last Bell(ラストベル)
ロシアの生徒が学校を卒業するのは5月だ。その「卒業式(graduation day)」でロシアの高校生が羽目を外している様子はネットで見ることができる。
しかし、「卒業式」といわれるものの、実際には卒業式ではない。正式には「The Last Bell(ラストベル)」というものだ。
ラストベルとは、高校生活最後の授業の終了時に鳴らされるベルのこと。ラストベルが鳴れば、高校生活も終わりということだ。
実は、最後の授業が終わったことを告げるベルが鳴ったからといって、正式に卒業が決まるわけではない。最後の授業が終われば最後の試験が待ち受けており、それにパスしたら晴れて卒業となるわけだ。
しかし、留年する生徒はほとんどいないので、ラストベルが卒業式の意味合いを帯びているわけ。
ロシアと一部の国では、ラストベルのある日は重要な日とされている。なぜなら、高校を卒業するということは義務教育を終えることで、これをもって社会人となるからである。
自治体によっては、花火を打ち上げてラストベルを祝う所もあるそうだ。
コスプレもあるラストベル
このラストベル、卒業予定の高校生が派手な衣装を着ていたり、コスプレをしていたり、はたまた羽目を外しているところを撮られた写真や動画に目を引かれがちだ。
しかし、いろいろと調べてみると、どのようなラストベルになるかは学校によるところが大きいようだ。ほとんどの学校では学校の制服化ドレスを着て、厳粛に行われている。また、先生や仲間たちとの別れにしんみりとした雰囲気になっている写真もある。
ラストベルの動画
当然ながら動画は、できるだけ面白くなるように編集されるもの。しかし、実際に楽しく羽目を外す高校生がいることも事実である。
紙芝居形式の動画であるが、楽しそうな雰囲気が伝わる動画である。
Школьный выпускной. Песня со словами

2016 Выпускной в школе это надо видеть! Graduation at the school

この他にも、YouTubeにはラストベルに関する動画がある。もちろん、伝統的なラストベルを撮影したものもある。
ラストベルは、卒業予定の高校生が羽目を外す日というよりは、伝統的な習慣であるが羽目を外す高校生もいる、といったところだろうか。