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ロシア国歌とソ連国歌と映画「ロッキー4」

ロシア国歌の曲の美しさは数ある国歌の中でも群を抜いており、たとえロシアが嫌いであろうと、ロシア国歌だけは認めざるを得ないという方も多いのではないだろうか。「国歌で、その曲を使ったら反則だよ」と思うくらい素晴らしいメロディであるが、ソ連時代から現在にかけてのロシアの国歌について紹介してみたい。

 

 

ソ連時代の国歌

ソ連時代の国歌の歴史は、結構複雑だ。そのため、国歌の変遷の詳細についてはWikipediaや他の資料で調べてほしい。ここでは大まかな変遷だけに留めておきたい。

ソ連時代の最初の国歌は「インターナショナル」という社会主義讃歌だ。この国歌は、後述する新しい国歌ができるとボリシェヴィキ党歌になった。現在は、世界の社会主義主義者が歌っている歌である。

1945年、新しい国歌が作られた。この国歌の曲は、現在のロシア国歌と同じだ。この国歌の歌詞にはレーニンと共にスターリンを称える歌詞があった。しかし、スターリンの死後、ニキータ・フルシチョフによるスターリン批判があり、1977年にスターリンを称える箇所の歌詞が変更され、新しい歌詞のソ連国歌になった。

 

新しい歌詞のソ連国歌

 

ロシア時代の国歌

ソ連体制が崩壊し、ロシア連邦として新しい国歌が制定されたが、あまり評判が良くなかった。特にソ連に郷愁の念がある共産党の不満が大きかった。そのため、プーチンは、共産党をなだめ、権力の基盤を強固にするために、ソ連時代に歌われていた国歌の歌詞を変え、それを新しい国歌に制定し、現在に至っている。

しかし、ソ連時代を含め、あまりにも国歌が目まぐるしく変わったせいで、下記の記事にあるように、一時期はきちんと国歌を歌える人がいなくなってしまった。

 

参考記事

www.apriori-eye.com

  

現在のロシア国歌

 

ソ連国歌と映画「ロッキー 4」

ロッキー4でのソ連国歌

映画「ロッキー4(Rocky 4)」は、1985年製作のアメリカ映画で、主演シルヴェスター・スタローンのボクシング映画である。スタローン演じるロッキーが、プロボクシング界に進出してきたソ連のボクサーとモスクワで戦うというストーリーだ。ソ連のボクサーはドルフ・ラングレンが演じた。

アメリカ人のロッキーがソ連のボクサーを倒すという映画のため、1988年にソウルオリンピックを控えていた韓国では上映を禁止にすべきという意見もあった。1980年のモスクワオリンピックでは西側諸国がボイコットし、1984年のロスアンゼルスオリンピックでは東側諸国がボイコットするという流れの中で、ソウルオリンピックは、久々に世界各国が集まる大会になるからであった。

ロッキー4では、ソ連国歌がボクシングの試合会場で流れるシーンがあるが、このシーンは映画の中でのベストシーンの1つである。敵対国であり、また大国ながらもベールに包まれたソ連の国歌がアメリカの映画で流れるのだから、当時としては凄いことであった。

 

間違った歌詞だったソ連国歌

ロッキー4で使用されたソ連国歌であるが、実は歌詞を間違えていたのである。ロッキー4は1985年に公開されたので、ソ連国歌は1977年に変更された新しい歌詞でなくてはならない。しかし、映画の中で使われたのは、スターリンを称える古い歌詞のソ連国歌であった。

 

歌詞1番

Союз нерушимый республик свободных
Сплотила навеки Великая Русь!
Да здравствует созданный волей народов
Единый, могучий Советский Союз!

 

古い歌詞(コーラス部分)

Славься, Отечество наше свободное,
Дружбы народов надёжный оплот!
Знамя Советское, знамя народное
Пусть от победы к победе ведёт!

 

新しい歌詞(コーラス部分)

Славься, Отечество наше свободное,
Дружбы народов надёжный оплот!
Партия Ленина — сила народная
Нас к торжеству Коммунизма ведёт!

 

前半の歌詞は、古い歌詞も新しい歌詞も変わらないが、赤字のコーラスの部分が異なる。このコーラスの部分を、ロッキー4では古い歌詞を使ってしまったのだ。

新歌詞で特徴的なのは「Партия Ленина(パルティヤ・レーニナ)」だろう。これは「レーニンの党」という意味である。レーニンは歴史的な人物であるが、新歌詞には歴史的な人物の名前が出てくるという、ある意味貴重な国歌なのである。

ロッキー4でソ連国歌が流れる場面はYouTubeで、「ussr national anthem rocky4」と検索すると視聴できる。

 

いろいろなバージョンのロシア国歌

現在のロシア国歌には、クラッシック調にしたものやオルゴールの音色で歌われているものなど、いろいろあるが、最も気に入っているのがロックバージョンのロシア国歌。これはかなりかっこいい。

 

 

こちらの動画はロシアの国歌の変遷が、ソ連時代を含め分かるもの。

 

 

この動画を見ると、帝政ロシアの時代から何回も国歌が変わったことが分かり、非常に興味深い。