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フィレンツェの面白い道路標識は、日本人も関与する犯罪だった

イタリアのフィレンツェでは面白い道路標識を見かける。街を歩いていて、このような道路標識を見かけると、思わずにやりとしてしまう。

フィレンツェの面白い道路標識について調べたので、紹介してみたい。

 

実は犯罪だったフィレンツェの面白い道路標識

フィレンツェの面白い道路標識で、最も衝撃的、かつセンスを感じるのは、T字路を示すと思われる標識に描かれた「T」というやつ。

これを十字架に見立て、そこに磔(はりつけ)にされているキリストがデザインされたものだ。

 

フィレンツェの面白いT字路の標識

T字路の標識

 

最初は「さすがフィレンツェ。道路標識もおしゃれだね」と思っていたが、全部が全部面白い標識というわけではなく、普通のシンプルな標識の方がはるかに多い。そのため、その面白い標識はいたずらされたものではないかと疑った。

また、それらの面白い標識を近くで見ると、どうも後から描かれた箇所を確認できるものもあり、やはりいたずら書きの可能性は否定できなかったのだ。

 

 

フィレンツェの面白い「進入禁止」の標識

「進入禁止」の標識

 

しかし、違う場所で同じデザインの標識に遭遇すると、警察などの関連当局が道路を楽しくするために、主だった場所にユニークな道路標識を使用しているのではないかとも思えるのも事実である。

当局が意図的に設置したのか、それともいたずら書きなのか。その疑問を晴らすべく、いろいろと調べてみた。

 

ユニークな道路標識をデザインする芸術家クレ・アブラーム

いろいろ調べてみると、フィレンツェの面白い道路標識をデザインしたのは、フィレンツェ在住のフランス人、クレ・アブラーム(Clet Abraham)氏であることが分かった。

 

クレ・アブラーム - Wikipedia

 

クレは芸術家で、ストリートアートも手掛けている。ストリートアートというのは、建物や壁などに絵などを描くことである。彼はストリートアートの対象に道路標識を選んだのである。

つまり、フィレンツェの面白い標識は、当局が意図的に設置したものではなく、クレのストリートアートの作品である。実質的には彼が勝手に「落書き」あるいは「改ざん」した標識ということである。

クレがストリートアートの対象として道路標識を選んだ理由は、簡単に言えば「権威の象徴への反発と社会的なルールに対する皮肉」ということらしい。

クレの活動はフィレンツェだけではない。ロンドンやパリ、バルセロナ、ローマなどヨーロッパの主要都市はもちろんのこと、世界各国で行っており、Googleで検索すれば、彼がデザイン(いたずら)したロンドンの道路標識の写真が表示される。

 

クレ・アブラーム(Clet Abraham)がいたずらしたロンドンの道路標識の画像を検索した結果

クレがいたずらしたロンドンの道路標識

 

それではクレの「道路標識にいたずらをする」という行為は、法的にはどう扱われるのであろうか?フィレンツェでは何の問題もないのであろうか?

さすがにフィレンツェでも彼の行為は犯罪である。事実、クレは逮捕されて罰金を支払ったこともある。現在でもクレの犯行現場が押さえられれば逮捕されるといわれている。

「フィレンツェ市は、ユニークな道路標識が観光客に好評なため、彼を放置している」という話もあるが、犯罪は犯罪である。そのため、彼はゲリラ的に活動を行っている。

 

日本とも無縁ではなかったクレ・アブラーム氏

ヨーロッパの主要都市でゲリラ的に道路標識にいたずらをするクレであるが、実は日本とも縁があるのだ。

2014年末頃から京都や大阪で道路標識にシールを貼るという事件が起きているが、その犯人がクレである。

まずは産経WESTの記事から。

 

www.sankei.com

 

大阪や京都の市街地で昨年末以降、道路標識にハート形や人型のシールやステッカーが張られる被害が相次いで確認された事件で、現場周辺の防犯カメラに、自称イタリア在住のブランド品販売員、浦川真弥(まみ)容疑者(43)=道交法違反(信号機等の移転、損壊等)容疑で逮捕=が外国人風の男と協力して標識によじ登ってステッカーを張る様子が写っていたことが14日、分かった。

 

この記事では「外国人風の男」とある。

次にJcastの記事を見てみる。

 

www.j-cast.com

 

矢印の交通標識の上にデザイン化した魚の頭と骨が書かれたシールやピンクのハートのシールを貼りつけるいたずらが、昨年(2014年)暮れから新年にかけて大阪や京都で相次いだ。いったい誰が、何の目的でやっているのか。「モーニングバード!」が「自分がやった」というフランス人の自称アーティストのクレ・アブラーム氏(48)を直撃した。

 

この記事ではクレ・アブラームの名前が書かれている。

要約すれば「クレはフィレンツェ在住の日本人のガールフレンドがおり、そのガールフレンドと共に日本で道路標識にいたずらをした」ということである。

彼は日本でもゲリラ的芸術活動をしていたのである。

このクレのいたずらに日本の警察はどう対応するであろうか?おそらく、厳しく対応するであろう。

いたずらされた標識の近くで実際に事故が起きた場合、「道路標識が分かりにくかったために事故が起きた」と言い訳にされるとも限らないからである。

また、クレーマー気質の人が増加傾向にある日本では、いたずらされた道路標識を放置していることを理由に、警察などの当局が訴えられないとも限らないからだ。 

フィレンツェの面白い標識は犯罪とはいえ、フィレンツェ滞在中は結構楽しめるというのも事実である。 

下の動画は、クレ・アブラーム氏の「EXTERMITENT - CLET」というもので、どのように道路標識を変えるのかが撮影されている。

 

 

YouTubeには、上の動画以外にもクレ・アブラーム氏に関するものがアップロードされている。