アルベロベッロ(Alberobello)はイタリア南部のプーリア(Puglia)州にある小さな町である。
とんがり屋根のトゥルッリと呼ばれる家屋で有名な世界遺産の町だ。
厳密にはその家屋の単数形が「トゥルッロ(Turllo)」で、複数形が「トゥルッリ(Turlli)」だが、日本では単数・複数関係なくトゥルッリを用いる場合が多いので、ここでもトゥルッリとよぶことにする。
- 白川村と姉妹提携しているアルベロベッロ
- アルベロベッロの日本人観光客
- トゥルッリに宿泊することをおすすめする理由
- トゥルッリのホテルを予約する際に注意したいこと
- おすすめのトゥルッリ型のホテル、ティピコリゾート
- 魅力的なプーリア州とバジリカータ州
白川村と姉妹提携しているアルベロベッロ
アルベロベッロは、日本の白川郷のある白川村と姉妹提携を結んでいる町でもある。そのため、アルベロベッロの土産物屋では白川郷の提灯を見ることもできる。
確かに、伝統的な家屋が立ち並んでいるところなどは、白川郷に似ていなくもない。それに、観光客が去れば静かな集落になる点もそっくりである。
「白川郷と姉妹提携している」というのは、ある意味アルベロベッロの一部の土産物屋の殺し文句でもある。日本人なら財布のひもが20%ほど緩くなるに違いない。
アルベロベッロの日本人観光客
現在のところ、アルベロベッロは日本人にとって、それほど人気の観光地ではない。しかし、最近はトゥルッリの観光を含むツアーもあり、観光地として徐々に名前も知れ渡ってきている。
アルベロベッロの街は、観光に要する時間は大して必要ない。トゥルッリの集落は2ヶ所あるが、メインとなる集落だけ見るならなら、せいぜい1時間も散策すれば十分である。その他の観光スポットを歩いて回っても、2時間から3時間もあれば満足できるだろう。
日本人はツアーで観光することが多く、個人でアルベロベッロを訪れるケースはまだ少ないようだ。
ツアーでアルベロベッロを観光する場合、街中から少し離れた駐車場にバスを止め、そこからトゥルッリの集落に歩いて行き、1時間から1時間半ほど観光をして帰って行くというものが多いようだ。
トゥルッリに宿泊することをおすすめする理由
アルベロベッロにはトゥルッリをホテルとしている宿泊施設がある。アルベロベッロに来たならば、是非トゥルッリタイプのホテルに泊まってみるべきだと思う。
急ぎ足で観光するなら、ツアーの団体客のように短い滞在でもいいだろう。しかし、たった数時間でアルベロベッロを去ってしまうのはもったいない。
短い時間でアルベロベッロから去るのではなく、是非アルベロベッロのトゥルッリに宿泊することをおすすめしたい。
トゥルッリに泊まってみるのも旅の良い思い出になるのではないかと思うからだ。
トゥルッリのホテルに泊まることをおすすめする理由は次の通りだ。
トゥルッリに宿泊することが最大の観光である
アルベロベッロでは、何といってもトゥルッリのホテルに泊まること自体が最大の観光になる。とんがり帽のような変わった形の家に滞在できる機会もめったにないからだ。
ソファなどに座り、とんがり屋根を内側から眺めるのも楽しいものである。また、実際にトゥルッリの造りがどうなっているのかなどが分かり、興味深い滞在となることであろう。
トゥルッリを知るには、トゥルッリに泊まるのが一番である。
朝夕の散歩が楽しい
朝の透き通った空気の中で見るトゥルッリもいいものだ。また、夕日で赤くなったトゥルッリもきれいである。
これらはアルベロベッロに宿泊しないと味わうことができない。
また、アルベロベッロは猫が多い街で、散歩の時に多くの猫を見ることができる。トゥルッリの石の屋根を駆け抜ける猫などは、結構絵になるものだ。
仄かな街灯に照らされる夜の街が美しい
アルベロベッロは静かな田舎の町だ。夜、外に出て、街灯に照らされるトゥルッリを見るのもいいものである。
また街の明かりに照らされた市街にある教会周辺もとても美しい。
安くて美味しいレストランがある
アルベロベッロのレストランは、数は多くはないものの、落着いた雰囲気のお店が多い。しかも、値段は都市部のレストランと比較したらかなり安あがりである。
だからといって、決して味が落ちるということはない。アルベロベッロでは食事も安く楽しむことができるのである。
アルベロベッロ周辺の街も魅力的
トゥルッリはアルベロベッロだけにあるわけではない。トゥルッリはアルベロベッロ周辺にも数多く点在しており、アルベロベッロを拠点に周辺の観光をするのもおすすめである。
電車で隣の駅にあるロコロトンド(Locorotondo)も白い街で、散策も楽しい所だ。ロコロトンドの高台からもトゥルッリが点在しているのが見える。また、電車の窓から建築中のトゥルッリや、廃墟となったトゥルッリを見ることができるかもしれない。
また、もっと足を延ばすなら、電車の乗り換えが必要となるものの、レッチェ(Lecce)にも日帰りが可能だ。
レッチェは美しい建物が多い都市で、アルベロベッロまで来たからには、是非訪れたい場所である。
トゥルッリのホテルを予約する際に注意したいこと
ホテルの予約サイトでトゥルッリのホテルを予約する際に注意すべきことが何点かある。
本当にトゥルッリタイプの宿泊施設か確認する
通常トゥルッリのホテルは一軒家になるが、一部のホテルにはトゥルッリ型の客室とトゥルッリ型ではない普通の客室を用意していることがある。普通の客室はシングルルームに多いようだ。
ホテルの予約サイトで安いトゥルッリを見つけても早とちりしない方がいい。そのタイプの宿泊施設には何も表記されておらず、そのタイプ以外の宿泊施設には「Trulli」と表記されている場合、その安くてお得なトゥルッリだと思った客室は普通の部屋だと思った方がいい。
予約サイトにもタイプ別に詳細が書かれているので、予約をする前によく確認すべきだろう。
トゥルッリの集落からできるだけ近いホテルにする
トゥルッリタイプのホテルはトゥルッリの集落周辺だけにあるわけではない。アルベロベッロの市街地から遠く離れた郊外にもある。
郊外のホテルにも魅力的なトゥルッリタイプの宿泊施設があるが、レンタカーを利用するつもりがないならトゥルッリの集落に近いホテルの方が明らかに便利である。
トゥルッリの周辺に宿泊すれば、朝夕とトゥルッリを眺めながらの散歩がとても楽しい。
日曜日と祝日には電車は運行されない
アルベロベッロ駅を通る電車は日曜日と祝日は運行されない。休日は電車の代わりにバスが運行される。
電車を利用したい場合は、アルベロベッロに日曜日や祝日にチェックインするという予定は避けた方がいいだろう。また、同様にチェックアウトする日も日曜・祝日は避けた方がいい。
おすすめのトゥルッリ型のホテル、ティピコリゾート
ティピコリゾート(Tipico Resort)は、アルベロベッロ市街地にあるトゥルッリを利用したホテルである。トゥルッリがある集落の近くには、トゥルッリ型のホテルがいくつかあるが、その内の1つだ。
ティピコリゾートは、トゥルッリ型のホテルの中では人気上位のホテルである。ここを拠点に周辺を観光するのもいいだろう。
それでも、1番思い出に残るのがトゥルッリに滞在したことになると思う。アルベロベッロでトゥルッリのホテルに宿泊するのは貴重な体験だからである。
そんなトゥルッリ型のホテル、ティピコリゾートを紹介してみたい。
一軒家に住んでいるようなトゥルッリ型ホテル
ティピコリゾートはレセプションと宿泊施設が離れており、ホテルのスタッフと顔を合わせるのはチェックインとチェックアウトの時だけである。そのため、滞在中はホテルのスタッフと顔を合わせることもなく、まるで自分の家のような感覚で滞在できる。
ホテルのレセプションでチェックインを済ませると、女性のスタッフが宿泊するトゥルッリまで案内してくれる。パッと見ると普通の家のようだが、少し離れるとトゥルッリの屋根が見える。建物のドアがちょっとレトロな感じがして良い雰囲気だ。
床にガラスの部分があり、地面がどうなっているのかを覗けるようになっていて興味深い。しかし、何といってもトゥルッリの大きな特徴の1つが天井だ。独特なトゥルッリの天井はいくら見ても見飽きることはない。
ティピコリゾートのトゥルッリは居間とベッドルームに分かれており、居間には小さな冷蔵庫と大きめなソファ、そして小さなデスクがある。大きなソファにふんぞり返り、トゥルッリの石でできた室内を眺めるのが心地よい。
また、wifiも無料で利用できる。
ベッドルームは居間よりは狭いが、ベッドは大きめだ。壁にかけられている絵画が良かった。それにテレビなどがある。ベッドルームにはバスタオルとフェイスタオルが用意されている。バスルームにはバスタブはなくシャワーのみであるが広くて使いやすい。
朝食は少し歩いた提携レストランで
ティピコリゾートの朝食は、歩いて2~3分の提携しているレストランで取ることになる。料理の種類はイタリアの同規模のホテルと比較すると、そこそこ豊富である。
朝食のついでにトゥルッリの集落を散歩するのもおすすめである。朝のアルベロベッロは気持ちが良いものである。
また泊まりたくなるトゥルッリ
このティピコリゾートに宿泊したなら、機会があればまた泊まってみたくなるだろう。アルベロベッロが静かな街ということもあるが、とても落ち着いて過ごしやすいホテルである。
このトゥルッリのホテル、ティピコリゾートは、皆さんにもおすすめできるホテルである。アルベロベッロに行った際は、是非利用してみてほしい。
アルベロベッロでの注意点は、こちらの記事を参考に。
魅力的なプーリア州とバジリカータ州
以上、アルベロベッロのトゥルッリに宿泊すべき理由と予約の際の注意点、トゥルッリ型のホテル「ティピコリゾート」を紹介した。アルベロベッロ観光の参考になれば幸いである。
アルベロベッロのあるプーリア州やマテーラ(Matera)のあるバジリカータ州などの南部イタリアは非常に魅力的な所である。イタリアの有名都市だけではなく、プーリア州やバジリカータ州の田舎町もぜひ楽しんでみてほしい。
南イタリア・プーリアへの旅―青い空と白い迷宮を訪ねて (SHOTOR TRAVEL)
- 作者: 木下やよい
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る