a priori

アプリオリ - 旅から哲学まで、日常の「なぜ」を解き明かす楽しいブログです -

ギリシャにマクドナルドが少ない理由

ギリシャで気付くのはマクドナルドの店舗をめったに見かけないことである。アテネの空の玄関であるエレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港などにあることはあるのだが、観光客の多い島には1軒くらいあってもよさそうなのに全然ないのだ。

なぜギリシャではマクドナルドを見かけないのか、自分なりに考察してみたい。

 

ギリシャではマクドナルドが19店舗しかない

英語版のWikipediaによると、ギリシャにおけるマクドナルドの店舗数は19店舗である。日本におけるその数は2,975店舗である。

 

List of countries with McDonald's restaurants - Wikipedia

 

1店舗当たりの人口は、下記の通りとなる。

  • ギリシャ…456,458人
  • 日本…42,598人

ギリシャと日本の1店舗当たりの人口を比較すると、ギリシャは日本の10分の1以下の店舗数しかない。また、マクドナルド1店舗当たりの人口はEU加盟国の中ではギリシャがだんとつであり、これは実質的にマクドナルドの店舗数が最も少ないことを示している。

 

なぜギリシャにはマクドナルドが少ないのか?

それでは、なぜギリシャにはマクドナルドの店舗が少ないのであろうか?これに関しフォーブス(Forbes)のウェブサイトでは"McDonalds Lost The Greek Market. Is Starbucks Next?"と題し、次のような記事を掲載している。 

 

www.forbes.com

 

この記事によると、マクドナルドはギリシャのマーケットを失ったのである。ギリシャ国内の競争に負けたのだ。

上記の記事の中で、マクドナルドのギリシャでの敗北について次のように書かれている。

 

Goodys has replicated McDonalds’ franchise concept of efficiency and convenience, but localized the menu and service—offering an array of Mediterranean products rather than burgers and fries. The rest is history. McDonalds has been closing stores in several locations, having 19 stores in the country with 11 of those in Athens.

To be fair, McDonalds tried to localize its product offerings and service, replicating part of Goodys menu. But it was too little too late, as both companies face a host of new problems -- competition from bakery and deli stores and a shrinking economy, due to prolonged austerity.

Nonetheless, the message is clear: McDonalds’ model of a standardized menu doesn’t work in countries with a strong local food menu.

 

この記事によると、ギリシャにはGoodys(実際はGoody's)というファストフードがある。Goody'sはマクドナルドのフランチャイズに関するコンセプトを真似たものの、ギリシャに合わせたメニューやサービスを提供した。

今度はマクドナルドもGoody'sを見習い、ローカルに合わせたメニューやサービスを提供しようとしたが、すでに遅かったということだ。

そして、最後に「マクドナルドの標準化したメニューでは、強烈なローカルフードがある国ではうまくいかない」と結んでいる。マクドナルドはGoody'sというローカルチェーンに負けたということだろう。

 

HOME | GOODY'S BURGER HOUSE

 

マクドナルドがギリシャで失敗したのはギロピタのせい

前述のフォーブスの考察は一理あるかもしれないが、ギリシャは年間約2,600万人の観光客が訪れる観光大国である。

2,600万人というと多くもないという印象を受けるかもしれないが、ギリシャの人口は約1,100万人弱である。日本で考えれば3億人ほどの観光客が訪れる計算となる。

このような観光客数を考えると、マクドナルドのターゲットは決して現地ギリシャ人だけではなく、ギリシャへの観光客も含まれるはずである。観光客が旅行中2回マクドナルドを利用するだけで、5,000万食以上が売れるのである。

しかし、マクドナルドはうまくはいかなかったようである。

だが「ギリシャのGoody'sにマクドナルドが負けた」というのはどうなのかなと思う。Goody'sというファストフード店は見たかもしれないが記憶にはない。実際、Goody'sのウェブサイトで確認すると、それ程店舗数は多くはない。

旅行者目線から見ると、マクドナルドがギリシャで負けたのは、ずばりこれのせいだと思う。

ギロピタ(γύρος - πίτα)である。

 

ギリシャのパロス島で売られていたギロピタ

ギロピタ

 

ギロピタとは下の写真のようなギロス(γύρος)と呼ばれるギリシャ料理をピタというパンにはさんだギリシャ風ファストフードである。

ギリシャならどこにでもギロピタを売る店があり、店によりソースの味が異なる。そして、美味しいギロピタは感動するほど美味しいのだ。

 

アテネ駅近くのレストランのギロス

ギロス


ギロスの肉はトルコや中近東のケバブ料理の時と同様に、回転しながら焼き上げた大きな肉の塊から少しずつそぎ落とす。

 

f:id:a-priori:20180713224600j:plain

ケバブの肉

 

ギリシャではギロピタがあればマクドナルドにはいかないだろうなと思う。これはあくまでも仮説ではあるが、マクドナルドはギリシャでギロピタに負けたのではないだろうか。