ヨーロッパでは一部の国を除き、長距離列車やバスの料金は航空券のような料金体系になっている。つまり、キャンセルができない等の制限が付くものの、早く購入すれば大幅な割引料金でサービスを利用することができるということである。
このような制度を利用するとイタリアや、ドイツ、フランスなどではセカンドクラス(2等座席)よりも安い料金でファーストクラス(1等座席)に乗れることもある。
これはフィンランドも同様である。
早めにVRを予約するメリット
フィンランドでは列車はVRにより運行されており、乗車券は下記のウェブサイトから予約できる。
ここではヘルシンキ(Helsinki)からムーミン博物館のあるタンペレ(Tampere)までの列車を例に、列車の早期予約、チケットの早期購入により、料金がどれほど変動するかを説明する。
ヘルシンキからタンペレまでを予約する
ヘルシンキからタンペレまで2019年11月6日に乗車するとする。そして、前日にその列車を予約すると仮定する。
VRのウェブサイトでチケットを予約する方法は下記の通りである。
- FROMに「Helsinki」、TOに「Tampere」と入力する。サジェスト機能があるので、どちらの駅も途中まで入力すると候補となる駅名が表示される。
- DEPARTUREの日付を乗車日の「06.11.2019」をにし、出発する時刻を入力する。
- SEARCH TRIPSをクリックする。
前日に列車の予約をする場合
SEARCH TRIPSをクリックすると乗車可能な列車とその料金が表示される。
乗車希望日の前日には、9時4分ヘルシンキ発、10時52分タンペレ着の列車が21ユーロで予約できることが分かるだろう。
ヘルシンキからタンペレへの日帰り旅行の出発時間としては、いい出発時間だ。
2か月前に列車の予約をする場合
次に乗車希望日が2020年1月6日の場合を検索する。約2ヶ月後の乗車だ。前日に予約する場合と同様に列車を検索してみると下記のような結果となる。
9時3分ヘルシンキ発、10時53分タンペレ着の列車が8.9ユーロで予約できることが分かる。乗車日の前日に予約する場合と比べて、半額以下で列車を利用できることになり、かなりの割引となる。
VRは130日前から予約可能
フィンランドの列車のチケットは、何日前から購入できるのだろうか?
VRのウェブサイトには、次のように記載されています。
Tickets can be bought for travel earliest 130 days before travel. Tickets for trains to and from Russia may be booked earliest 60 days before departure.
「チケットは、乗車日の130日前から購入できます。ただし、ロシア行き、またはロシア発のチケットは、60日前から購入することができます。」
フィンランド国内で列車を利用するなら、乗車日の130日前から列車の予約とチケット購入が可能ということである。
上記のことから分かるように、早めに列車を予約し、チケットを購入すると割安な価格で列車を利用できる。フィンランド旅行の旅程が決まり、列車を利用するようなら、早く列車のチケットを購入するといいだろう。
ヘルシンキ発ポルヴォー行きのバスの料金
ヘルシンキから少し離れた所にポルヴォー(Porvoo)という街がある。ヘルシンキからバスで約1時間ほどの古い街で、人気の観光スポットだ。
ヘルシンキからポルヴォーを巡るツアーもあるが、ヘルシンキのバスターミナルからバスに乗り、ポルヴォーへ向かうのが普通だろう。
このポルヴォー行きのバスは下記のウェブサイトから事前に予約することができる。
ここでも列車同様、予約・購入日による料金の違いを確認してみる。
前日に予約する場合
ヘルシンキのバスターミナルを8時くらいに出発するポルヴォー行きのバスに乗るとする。すると、ヘルシンキを8時に出発するバスの料金が5.7ユーロということが分かる。
出発時間によりバスの料金に違いがあるが、少なくともヘルシンキを8時に出発するバスは高い値段に設定されており、比較的人気が高い便なのだろう。
2週間前に予約する場合
ヘルシンキ発ポルヴォー行きのバスを2週間前に予約する場合、下記のように料金は4.2ユーロになる。
前日に予約・購入する場合に比べて、1.5ユーロ安くなるということだ。物価の高い北欧では1.5ユーロ程度は誤差の範囲と感じ、お金に対する感覚が麻痺するかもしれないが、割引率で考えると大幅な割引であることは確かである。
フィンランドでの交通費節約は早めの予約がポイント
ヨーロッパでは一部の国を除いて、一般的に交通費が高い傾向にある。しかし、その高額な交通費は割引なしの正規の価額の料金である。
ユーレイルパス等の乗り放題のチケットを利用するほど移動が多いのなら、そのようなチケットを買うのが正しい選択だろう。そうでないなら、電車・バス等の交通機関の予約や購入は早めに行うことが交通費の節約になる。
とは言っても、チケットを早く購入することは、割引が大きい分、non-refund(交通機関を利用しなくても返金はされないこと)などのリスクが生じることは頭に入れておいた方がいいだろう。
あくまでも、旅程が固まってから移動に利用する交通機関の予約・購入することが重要だ。