ヨーロッパを旅行する時の悩みの種はホテルである。全般的にヨーロッパではホテルの料金が高いが、中でも北欧では群を抜いている。そのためホテル探しには結構気を遣うものだ。
ホテルの料金が高いと他の何かの予算を削らなければならなくなるので、ホテル代をどう抑えるかが北欧旅行のポイントかもしれない。
それでは、北欧でホテルの出費を抑える方法はあるのだろうか?
Airbnbを利用せよという人もいるだろうが、もっと大幅に出費を抑える方法がある。
北欧でホテル代を抑える方法、それはフェリーに宿泊することである。
- タリンクシリヤラインのデイ・クルーズ
- ストックホルムを起点とする
- 現地に宿泊したければHOTEL PACKAGESを利用する
- タリンクシリヤラインを利用してムーミンワールドへ行く
- フェリー泊を上手に利用してホテルの平均費用を下げる
タリンクシリヤラインのデイ・クルーズ
フェリーでの宿泊については、北欧内のフェリー運航で有名なタリンクシリヤライン(Tallink & Silja Line)を使う場合を想定したいと思う。
タリンクシリヤラインのフェリーの予約は、下記のウェブサイトからできる。
ここではストックホルムからヘルシンキへ行くものとしよう。
ウェブサイトのフェリーの予約の画面に行くと、下記のように「ROUNDTRIPS」「DAY IN HELSINKI CRUSE」「HOTEL PACKAGES」の3つの利用の方法を選択することができる。
ROUNDTRIPSは単純往復の予約である。往路だけの片道だけ予約することもできる。
下記の赤丸を付けた日付で予約した場合、9月9日の夕方にストックホルムを出発するフェリーに乗り、9月10日の朝にヘルシンキに到着する。そして、ヘルシンキを観光後、同日の9月10日の夕方、ヘルシンキからストックホルムへ向かうフェリーに乗船するという旅程である。
この場合、フェリーの料金は往復とも片道131ユーロなので、合計262ユーロとなる。また、復路の出発日は自由に選択することができるので、ヘルシンキに1泊して9月11日にヘルシンキを発つということも可能である。
次にROUNDTRIPSの右側にあるDAY IN HELSINKI CRUSEを見てみよう。
「DAY IN HELSINKI CRUSE」のタブをクリックするとストックホルムを出発する日にちごとの料金が表示される。
DAY IN HELSINKI CRUSEはROUNDTRIPSとは異なり、必ず到着日の夕方発のフェリーに乗らなければならない。ストックホルムを9月9日に出発したなら、ヘルシンキ到着日の9月10日発の便に乗船し、ストックホルムに戻って来るということ。
上記のような制約があるものの、注目してほしいのは48ユーロという格安の料金である。この料金は最も低いクラスのキャビン(客室)を利用した場合であるが、高いクラスを利用したとしても大幅な割引が適用される。
往復の移動費とフェリーのキャビンに2泊することを考えれば破格の値段だ。
ストックホルムを起点とする
上記の「ストックホルム → ヘルシンキ → ストックホルム」という旅程では48ユーロであるが、逆の旅程ではどうであろうか?
「ヘルシンキ → ストックホルム → ヘルシンキ」の料金を調べてみると99ユーロになる。「ストックホルム → ヘルシンキ → ストックホルム」の料金と比較すると倍以上となる。
「ストックホルム → ヘルシンキ → ストックホルム」に限らず、ストックホルムから他港への旅程と比べ、他港からストックホルムへの旅程は料金がなぜか割高になっている。
タリンクシリヤラインのキャビンをホテル代わりにするには、ストックホルムを起点にした方がホテル代の節約になるということである。
現地に宿泊したければHOTEL PACKAGESを利用する
ストックホルムからタリンクシリヤラインのDAY IN HELSINKI CRUSEでヘルシンキに行ったとする。ストックホルムからのフェリーは朝9時55分にヘルシンキの港に到着し、夕方5時発のフェリーでヘルシンキを出発することになる。
この場合ヘルシンキには約7時間の滞在となる。乗降船の時間を考えると実質5時間半程度だろうか。
5時間半あればヘルシンキの主な見どころを回るのに十分であるが、ムーミン博物館のあるタンペレ(Tampere)や美しい街ポルヴォー(Porvoo)などにも行きたいなら時間が足りない。
このような時は往復のフェリーのチケットを買い、ヘルシンキのホテルを別途予約しなくてはならない。
しかし、タリンクシリヤラインではフェリーのチケットとホテルをパッケージにした旅行商品を販売している。これが「HOTEL PACKAGES」である。
HOTEL PACKAGESのタブをクリックするとヘルシンキで宿泊できるホテルを選択できるようになる。DAY IN HELSINKI CRUSEほど割引の恩恵は受けられないものの、2泊程度ならフェリーのチケットとホテルを別々に予約する場合よりも割安になっている。
現地での宿泊を考えているなら、選べるホテルは少ないがHOTEL PACKAGESを考えてもいいだろう。
タリンクシリヤラインを利用してムーミンワールドへ行く
ストックホルムからタリンクシリヤラインを利用して行けるところは
- タリン(エストニア)
- ヘルシンキ(フィンランド)
- トゥルク(フィンランド)
- リガ(ラトビア)
- オーランド諸島(フィンランド)
である。
タリンクシリヤラインを利用すれば3ヶ国を回れるが、ムーミンワールド(Moominworld)へも行くことができる。
ムーミンワールドがあるナーンタリ(Naantali)に1番近い港がトゥルク(Turku)である。ストックホルム発トゥルク行きのフェリーを予約しようとすると、下記の画面となる。
この画面ではデイ・クルーズのタブは独立していないが、「ROUNDTRIP AND DAY IN TURKU CRUISE」から格安料金を選択することができる。
下記の赤丸の日付の8月25日ストックホルム発、8月26日トゥルク発のフェリーの料金は、それぞれ93ユーロ、82ユーロの合計175ユーロとなる。ここで上記のDAY IN HELSINKI CRUSEと同様に、トゥルク到着日と同日のトゥルク発のフェリーを選択すると割引が反映され56ユーロとなる。当然フェリーでの客室宿泊料込みである。
ムーミンワールドは、ヘルシンキから電車やバスを利用してもいけるが、ストックホルムからも格安で行けるということだ。ムーミンワールドへ行くならストックホルム発を考えてもいいだろう。
フェリー泊を上手に利用してホテルの平均費用を下げる
ストックホルムから北欧の主な都市へ行けることが分かった。また、ストックホルムを起点にタリンクシリヤラインを利用することで、ホテル代を下げられることも分かった。
全ての旅程にこの方法を使う必要はないが、いくつかを旅行の計画に取り入れることによりホテル代の平均を下げることができる。
ノルウェーやデンマークも行く予定なら、ホテル代を節約できる機会があればできるだけ節約しておいた方が旅も楽になる。
フェリーのキャビンはどのようなものなのか不安かもしれない。タリンクシリヤラインのキャビンの様子は、下記の記事を参照してほしい。
また、タリンクシリヤラインの会員サービス「クラブワン」についてはこちらから。