ヘルシンキへ行ったついでにエストニアのタリン(Tallinn)を観光する旅行者も多いだろう。
ヘルシンキからタリンまでフェリーで往復5~6時間。タリンの観光スポットである旧市街はコンパクトなエリアなので、タリンの旧市街を日帰り観光するのは十分可能だ。
ヘルシンキからタリンへのショートトリップだが、タリンへ行く際フェリーに宿泊するという選択肢もある。
- バルチック・クイーンに宿泊
- ヘルシンキ・ヴァンター空港からヘルシンキ市内への移動
- フェリー乗場への行き方
- フェリーに乗船するまで
- キャビン(客室)の様子
- フェリー内の施設
- タリン到着
- 朝食を予約した場合の注意点
- お得なバルチック・クイーン
バルチック・クイーンに宿泊
ヘルシンキとタリンの間にフェリーを運航している会社は数社あり、フェリー内に宿泊できる便(overnight ferryと言う)もある。タリンクシリヤライン(Tallink Silja Line)が運航している「バルチック・クイーン(Baltic Queen)」というフェリーが、その1つですだ。
バルチック・クイーンは午後6時半にヘルシンキを出港し、3時間ほどでタリンに到着する。そして、翌日の朝までタリンの港に停泊し、その間フェリーのキャビンで過ごすというものだ。
JAL便を利用する場合、東京を出発する飛行機はヘルシンキに午後3時頃到着する(夏時間の場合は午後2時頃)。ヘルシンキ到着日に夕方発のフェリーに乗船するのにちょうどいい時間である。
ヘルシンキからタリンに渡ることを考えているなら、ヘルシンキ初日にバルチック・クイーンに乗船し、フェリーのキャビンに宿泊することを考えてもいい。
ヘルシンキ・ヴァンター空港からヘルシンキ市内への移動
ヴァンター空港のイミグレーション
定刻通りにヴァンター空港第2ターミナルに到着すれば、JAL便は午後3時にヴァンター空港着になる。夏時間なら午後2時頃に到着だ。
ヘルシンキのイミグレーションでは入国の目的など、いくつかの質問をされるかもしれないが、通常はスムーズに通過できる。
ヴァンター空港から市内へ
空港からヘルシンキ市内への移動はいくつかの手段があるが、あらかじめネットでチケットを購入できるフィンエアーシティバス(Finnair City Bus)が便利だろう。
フィンエアーシティバスの場合、空港からヘルシンキ中央駅近くのバスターミナルまで約40分で到着する。車内で無料のwifiが使用できるので、スケジュールなどの最終確認をするのに便利だ。
フェリー乗場への行き方
ヘルシンキ中央駅から9番のトラム
タリンクシリヤラインのフェリー乗場は、ウェストハーバー(West Harbour)のターミナルビルにある。
ウェストハーバーへは、ヘルシンキ中央駅の前にあるトラム駅からウェストハーバーへ向かう9番のトラムに乗り、終点まで行く。ウェストハーバー方面へ行くトラムは、ヘルシンキ中央駅から見て右方向へ行くトラムだ。
トラムの駅からターミナルビルへ
ウェストハーバーでトラムを降りたら、右方向に歩いて行くとターミナルビルがある。「Entrance」と書かれた入口を示す案内板があるので迷うこともないだろう。
荷物をヘルシンキに置いておきたいなら、ターミナルビルの1階にあるコインロッカーを利用できる。
ターミナルビルの2階がタリンクシリヤラインのフェリー乗場になっていいる。タリンクシリヤラインのチケット売場もここにある。
【ウェストハーバーの地図】
フェリーに乗船するまで
セルフチェックインでチケットを発行
タリンクシリヤラインのフェリーのチケットを事前にネットで予約すると「予約番号(Reservation number)」と「セキュリティ番号(Security number)」、その他の詳細が記載されたPDF形式の書類がe-mailで送られてくる。しかし、これはチケットではないので、この書類を見せてもフェリーに乗ることはできない。
乗船するためのチケットを発行するには、セルフチェックイン機を使う。
セルフチェックイン機に予約番号とセキュリティ番号を入力するとチケットが発行される。非常に簡単な操作なので迷うことはないだろう。
チケットは客室のカード型の鍵になる
チケットを発行したらキャビン・ナンバーを確認しておいた方がいい。キャビン・ナンバーはフェリー内の部屋番号になる。
また、チケットは紙製だが、これがキャビンのドアを開ける際のカードキーとなるので丁寧に扱った方がいいだろう。
乗船ゲートを確認
時間になったらゲートを通り待合室に行く。ゲートを通る際、チケットに印刷されたバーコードを読取り機にかざすというシステムだ。
乗船ゲートはキャビン・ナンバーにより2ヶ所に分かれている。乗船ゲートの電光掲示板にインフォメーションが表示されているので、事前にどちらのゲートから乗るのかを確認しておこう。
キャビン(客室)の様子
大型ホテルのようなキャビンエリア
乗船後、自分が宿泊するキャビンを探すわけだが、キャビンのあるエリアは、まるで大型ホテルのようだ。しかも、ホテルよりも入り組んでおり、キャビンを見つけるのにちょっと戸惑ってしまうかもしれない。
実際、自分のキャビンが見つからず、うろうろしてる人も結構いる。案内板があるので焦らずに探すことが重要だ。
チケットでドアを開ける
自分のキャビンを見つけたらドアの挿入口にフェリーのチケットを差し込む。前述した通り、紙のチケットがカードキーになっている。チケットを抜くとドアのロックが解除される。
乗船チケットはカードキーの役目も兼ねているので、くれぐれも折り曲げたりしないように注意したいところだ。
A-プレミアムクラスのキャビン
フェリーのキャビンは何種類かのクラスに分かれているが、A-プレミアムクラス(A-Premium)を紹介してみたいと思う。
キャビン内はそれほど広くなく、部屋のほとんどがベッドで占められている。しかし、キャビネットなどもあり、1泊するなら十分と言えよう。
さすがに冷蔵庫はないが、テレビが壁に取り付けられている。
バスルーム
キャビンにはバスルームが付いている。多少狭さを感じるものの、ちゃんとお湯の出るシャワーだ。
ただ、トイレとシャワーの仕切りがカーテンのみである。トイレの部分とシャワーを浴びる部分の床に段差がなく平面なため、シャワールームにトイレがある感じ。そのため、シャワーを浴びたお湯は、バスルーム全体に流れてしまうのが難点だ。
このような場合に備え、シャワーの横に水を切る道具が掛けられている。シャワーを浴びた後、これで床の水切りをするためだ。きちんと水切りをしておけば、床は結構早く乾く。
フェリー内の施設
スーパーマーケットは激混み
フェリーの中には、食事を取れるカフェやゲームセンターなど、様々な施設がある。最も人気なのがショッピングエリアだ。
ショッピングエリアにはスーパーマーケットがある。タックスフリーのため、開店と同時に、主に酒類を買う人で非常ににぎわう。
スーパーマーケットを利用するなら、開店後しばらくしてからの方がいい。店内が混み過ぎて移動もままならないからだ。
フェリーのデッキ
フェリーにはデッキがあり、外の空気を吸うことができる。
また、デッキの定められた場所に灰皿が設置されているので、喫煙するなら灰皿のある所で。
タリン到着
バルチック・クイーンは出港後、約3時間でタリンに到着する。
タリン到着後、フェリーは港に停泊して夜を過ごすことになる。白夜の時期なら空は明るく、デッキからはタリンの旧市街にある建物を垣間見ることができる。
朝食を予約した場合の注意点
ビュッフェ式の食事を予約する
タリンクシリヤラインのフェリーのチケットをネットで予約する際、ビュッフェ式の夕食や朝食も一緒に予約できる。レストランを利用する際に料金を支払うこともできるが、フェリーのチケットと一緒に予約すれば10%割引されるのでちょっとお得だ。
ビュッフェ式の食事以外にも、アラカルトの食事を提供するレストランがあり、こちらもチケットを予約する際にレストランの席を予約することができる。
また、朝食には「Breakfast」と「Special breakfast」の2種類があり、「Special breakfast」の方が食事の種類が豊富で値段も高くなっている。
朝7時前には並ぶべし
朝食は朝7時から始まる。食事の質は予想以上に良く、料理の種類も豊富でかなり満足できる。
ただし、「Breakfast」を利用するなら時間には気を付けた方がいいだろう。7時ちょうどにレストランに行くと、すでに結構な行列ができているはず。
朝食を早めに取りたいなら、少なくとも7時5分前にはレストランへ行った方がいいだろう。レストラン内の座席は十分にあるので、席の心配をする必要はない。しかし、時間に遅れると料理を取る列がすごいことになり、なかなか思うように料理を取ることができなくなるからだ。
お得なバルチック・クイーン
ヘルシンキからタリンへはバルチック・クイーンでフェリー内で宿泊し、タリンからヘルシンキは通常のフェリーを利用し、バルチック・クイーンでは朝食も取った。
これらの料金を合わせても、物価の高いヘルシンキでのホテル1泊分より安い料金であった。できるだけ節約した旅をしたいのなら、フェリーでの宿泊することをおすすめしたい。
タリンクシリヤラインのフェリーは、下記のウェブサイトから予約できる。
【タリンクシリヤラインのウェブサイト】
英語で予約の手続きをするが、それほど難しくはない。
【参考記事】