バンコクで最も地価の高い場所は、サイアムパラゴンが建っている辺りだそうだ。サイアムパラゴンはBTSのサイアム(สยาม、Siam)駅の前にあり、馬鹿高い入場料を取る水族館が入っている高級デパートである。
このサイアムパラゴンの高価値な土地を所有している地主は誰だろうか?
高層建築はNGだったサイアム周辺
サイアム周辺の大地主は、タイで最も優秀な大学「チュラロンコーン大学」である。
以前、サイアムパラゴンのある辺りは、高層の建物は建てられない土地だった。あの一帯にはロッジ風の建物が並ぶホテルがあり、広い土地を贅沢に使っていた。
高い建物が禁止されていた理由は、その土地が王室の所有だからという話を聞いたことがある。
しかし、BTSができてからしばらくするとサイアム周辺の開発が始まった。そして、低層の建物だけだった一帯に、サイアムパラゴンなどの商業施設が建てられたというわけである。
サイアムスクエアの大地主、チュラロンコーン大学
チュラロンコーン大学の卒業生によると、チュラロンコーン大学はサイアムスクエア一帯の土地を所有しているため、相当な金を持っているらしい。しかも、MBK(マーブンクローン)が建っている土地もチュラロンコーン大学が所有しているそうだ。
広大なバンコクの1等地を所有し、それを賃貸していれば莫大な収入があることだろう。
チュラロンコーン大学は王室系の大学である。つまり、サイアム周辺の土地は、チュラロンコーン大学を介して、王室が間接的に保有しているということなのだろう。
面白いことに、チュラロンコーン大学が土地代の値上げを決めると、土地を借りてる人たちがチュラロンコーン大学の前でデモをすることがあるということだ。MBKやサイアムパラゴンの社長等の経営陣とその店子が「値上げ反対!」とシュプレヒコールでもあげるのだろうか。
女子学生が涙を流しながら勉強するチュラロンコーン大学
コネは使えない大学入学
チュラロンコーン大学は、タイではタマサート大学と並ぶ優秀な大学である。超学歴社会のタイでは、チュラロンコーン大学を卒業するということは人生の勝ち組を約束されたようなものだ。
厳しい学歴社会である一方、タイではコネが重要なのも事実である。コネ社会のタイでは、どんなコネを使ってでも子供をできるだけいい学校に入学させようとする。
しかし、大学入学の時にはコネを使わないという暗黙の了解があるそうだ。コネを使って入学させるとなると、上位の大学ならコネを使おうとする生徒だけで募集人員を超える志望者が集まってしまうからである。
男子は堕ちやすい
というわけで、チュラロンコーン大学も、基本的には実力主義で入学する学生が選抜される。その結果が4:6という学生の男女比だ。
【チュラロンコーン大学のウェブサイト】
なぜチュラロンコーン大学では女子学生の方が多いのか?理由は簡単である。高校生にもなると男子生徒は遊びを覚えてしまうのだ。そして、家柄も良く、元々優秀であっても、女子生徒に全く太刀打ちできなくなる男子生徒がでてくるわけだ。
堕ちた結果、大学に落ちてしまうのである。
堕落してタイの上位大学に行けなかった男子生徒で、家が裕福ならばタイ国内の下位ランクの大学に入学するより、海外の無名の大学に留学する傾向がある(当然、海外の有名大学に行ける学力はない)。
そのような男子生徒は女子生徒から「あいつ逃げやがった!」と馬鹿にされる始末だ。
図書館で泣く女子学生
チュラロンコーン大学はトラディショナル(伝統的)な大学で、制服着用の大学である。制服だけではなく、靴も大学指定のものがある。この点はタマサート大学とは異なる。もちろん、タマサート大学にも制服はあるが、ほとんどの学生は着用しない。
チュラロンコーン大学は、学業に厳しいことでも有名である。教授に学業のことを注意され、悔し涙を流しながら図書館で勉学に励む女子学生というのが、チュラロンコーン大学のステレオタイプだろう。
チュラロンコーン大学では定期的にタイ語講座を開いている。もちろん、このタイ語講座を受講しているからと言っても、正式なチュラロンコーンの学生ではない。
しかし、この講座でタイ語を勉強しているなら、タイ人に「チュラロンコーン大学(のタイ語講座)に通っている」と言うと、「すごーい!」と言われることは間違いない。
【参考記事】