タイ文字は表音文字である。そのため、読み方(発音の仕方)には規則性があり、その規則をマスターすればタイ語を読むことが可能となる。ただし、タイ語には声調があるので、他の言語と比較すると多少はややこしいかもしれない。
しかし、厄介なのは、タイ語の読み方には規則を外れた読み方をする単語が多いことである。イレギュラーな読み方をする単語は、地名や人名、サンスクリット語などからの外来語に多くある。
このような場合、読み方を一つ一つ覚えていく必要がある。慣れてきたら、ある程度は分かるようになってくる。これは論理的というよりは勘の問題だ。
タイ人の名前の読み方テスト
インターネットのおかげで、今ではSkypeを使用してタイ語のレッスンを受けることができる。もちろんネイティブから。
タイ文字を読めなくても発音記号を使ってレッスンすることもできるが、とあるレッスンで講師からタイ文字が読めるかどうか聞かれ、「読める」と答えた。
オンラインのタイ語講師の中には、大学で日本語を勉強していたり、日本に留学経験があったりと、日本語を話せる講師もいる。
ちょうどこのレッスンの時が、高校時代に日本に留学経験のある、日本語がペラペラな女子大生。
タイ語読むの難しいですか?
うーん、90%は簡単。だけど、残りの10%は本当に難しいね。特に人の名前とかは読めないことの方が多いなあ
…という会話を日本語でしていて、タイ人の名前の読み方のレッスンと相成った次第である。
ปารวีの読み方
前述の通り、タイ人の名前に使用されるタイ文字は規則外の読み方をすることが多く、読み方が難しい。
彼女が最初に出題した名前がこれ。
まずは「ปารวี」
これは「パーラウィー」かな?
正解です!
これは比較的簡単だ。
「パーラウィー」は、女子大生の講師の本名だった。
「パーラウィー」は比較的短い名前だが、タイ人の本名は長い名前の人が多い。そのため、タイ人は通常、「ノック(鳥)」や「ブア(蓮)」などとニックネームを持ち、お互いにニックネームで呼び合う。そのせいか、親しい友人でも、互いの本名を知らないというケースもある。
หฤธวรรรน์の読み方
彼女の次の問題は、下記の名前。
彼女の親せきや知り合いの中でも、最も読み方が難しい名前ということだ。
次は「หฤธวรรรน」です
これは難しい。いきなり「ห」だ。そして、2文字目が使用頻度の少ない「ฤ」。豪快なストレートを食らった気分になる。
まず、「ห」が問題である。実際に読む文字なのか、それとも声調を変えるためのものか?かなり悩む。
「ห」には文字としての役割もあるが、声調を変える役割もあるからだ。悩んだ挙句、「ワン」の部分は勘で答えた。
「ラタワン」かな?
残念。「ハリタワン」でした。私も子供の頃は、「หฤธวรรรน์」を正しく読めませんでした
勘の部分は当たっていたものの、「ห」を声調を変える方に賭けたのが見事に外れてしまった。おまけに「ฤ」の読み方も間違っているという…。
しかし、タイの子供にも読めないのだから、間違っても仕方がないのかもしれない。
พชรพชรの読み方
次の問題が、これ。
次は「พชรพชร」です
「พชร」という綴りが2つつながっている名前です。
考え抜いた末に答えた。
「ポチョラポチョーン」?
「惜しいですね!これは、パチャラパチョーンです。」
冷静に考えれば、子音がつながってる「พช」と「ชร」の母音は、「オ」ではなく「ア」である。
タイ人の女性の名前の特徴
「ปารวี」は彼女の名前である。もちろん女性の名前だ。
それでは「หฤธวรรรน์」と「พชรพชร」は、男女どちらの名前なのだろうか?タイ人の名前と格闘した後、講師に確認してみた。
すると、両方とも女性の名前ということ。「ワン」や「オーン」で終わる名前は、たいてい女性の名前ということだった。
そういえば、タイのテレサテン、あるいはタイの美空ひばりと呼ばれた「プムプワン・ドゥワンチャン(พุ่มพวง ดวงจันทร์)」というタイで人気のあった女性歌手も「ワン」で終わっていることに気付いた。
改めて強調したいが、タイ人の名前の読み方は難しいです。それにタイの地名も難しい。しかし、講師の彼女から「タイ語を勉強してて、ここまで惜しい読み方をした人、初めてです!」とほめられたことがせめてもの救いである。