会社の経営状況が崖っぷちの地方の鉄道会社は多いが、各社とも起死回生のアイデアで生き残りをかけた闘いをしている。
和歌山県にある和歌山電鐵も、そんな鉄道会社の1つである。和歌山電鐵の起死回生のアイデアは「猫」である。猫を駅長にしたプロモーションで人気となり、観光客を呼び込むことに成功した。
そんな和歌山電鐵の猫電車である「たま電車」を紹介してみたい。
たま電車の乗り方
和歌山電鐵の乗り場は、JR和歌山駅の中にある。そのため、たま電車に乗るには、一度JRの駅の中に入らなくてはならない。
JRに乗らないのにJR和歌山駅に入るには、JRの職員に和歌山電鐵に乗る旨を伝えて入場券をもらう必要がある。
たま電車に乗るためにJRを利用して和歌山駅まで行く場合は、あらかじめ料金分の切符を買っておいた方がいいだろう。和歌山駅で清算する必要がないからだ。
和歌山電鐵の乗り場へ行く階段には猫の足跡がデザインされている。
この階段を上がると和歌山電鐵の切符売り場がある。切符売り場は有人で、自動券売機はない。
JRで和歌山駅まで来た人で精算する必要のない場合には、改札を出ずに、和歌山電鐵の切符を買う際にJRの切符を渡すことになる。
なお、喜志駅まで行き、その日のうちに和歌山駅まで戻ってくるなら1日乗車券を買った方がお得である。
和歌山電鐵の和歌山駅には乗車客の目標が掲示されており、「たま電車を助けなきゃ!」という思いに駆られる。
細かいところまで気を配ったたま電車の装飾
たま電車の素晴らしさは、「電車に猫のラッピングを施しました。終点の喜志駅には猫の駅長がいて、お土産屋さんもありますよ」という生半可なコンセプトではなく、徹底的に猫のたま駅長にこだわっている点だろう。
そのため、たま電車の車内の装飾にもこだわりがあり、細かい気配りがされているのだ。
たま電車に乗れば、「乗ってよかったな~」と思うはずである。車内は、座席から壁の装飾まで、猫をモチーフにしたデザインで埋め尽くされている。
たま電車は、乗ること自体がエンターテイメントなのである。
座席は様々なデザインのものがあり、子供が喜びそうな猫の形をした座席もある。たま電車では、どの座席に座るかというのも楽しみの1つである。
ニタマ駅長がいるたまミュージアム
たま電車乗車の最も大きな目的が喜志駅に行くことである。そこに猫のニタマ駅長がいるからである。
喜志駅は、駅とその周辺の施設を含め、「たまミュージアム 貴志駅」と呼ばれている。
たま駅長が祀られたたま神社
貴志駅でたま電車を降りて最初に目につくのが、初代たま駅長が祀られているたま神社の鳥居だ。
たま神社には、小さなたま駅長の銅像が鎮座している。また、たま駅長の図柄のかわいい絵馬も奉納されている。
猫の形をした喜志駅
貴志駅の特徴は駅舎の形だろう。駅が猫の顔になっているのだ。少し離れて見てみると、よくできているなと感心してしまう。
このような所にも和歌山電鐵のこだわりを感じる。
たま関連グッズが買えるたまショップ
貴志駅の向かって左側に、たま駅長関連のグッズなどを売っているたまショップがある。
たまショップでは、たま駅長に関する書籍も取り扱っている。また、和歌山県は梅干しの産地として有名なので、梅干しを使った食品もある。
ニタマ駅長
ニタマ駅長は、駅の構内からガラス越しに見ることができるが、駅長の出入口はたまショップ内にある。
たまショップ側からも写真を撮ることができるが、ニタマ駅長は寝ていることが多い。起き上がったらシャッターチャンスである。
カップがかわいいたまカフェ
貴志駅の構内には、ドリンク類や軽食が取れるたまカフェがある。
アイスウインナーコーヒーを注文すると、チョコレートで猫の足跡を付けてくれる。
また、カップにはたま駅長が描かれている。
よんたま駅長がいる伊太祈曽駅
たまグッズが買える伊太祈曽駅
たま電車が目的の乗客は、伊太祈曽駅で途中下車する場合がほとんどである。この駅にも猫の駅長「よんたま駅長」がいるからだ。
伊太祈曽駅にはよんたま駅長がいる他、たま駅長グッズも扱っている。
趣のある伊太祈曽神社
和歌山電鐵貴志川線は30分間隔で運行されている。大抵の人は伊太祈曽駅で降り、駅舎を見学し、次の電車を待つだけなのだが、伊太祈曽駅から少し離れた所に伊太祈曽神社がある。
伊太祈曽神社は予想以上に立派な神社なので、是非足を運んでみてほしい。伊太祈曽神社へ行く場合は、伊太祈曽で、最低でも1時間の滞在を予定するのがいいだろう。
伊太祈曽駅にはレンタサイクルがあるので、自転車で遠出をしてみてもいい。ただし、伊太祈曽神社のみに行く場合は徒歩で十分可能なので、自転車を借りる必要はない。
ツアー客で混雑することも
和歌山電鐵の乗車は、国内外からのツアーに組み込まれることもあり、時には非常に混雑する。
下の写真は伊太祈曽駅から喜志駅に向かう電車に乗り込む乗客の様子であるが、ここまで混雑すると車内で写真を撮ることもできない。
こんな時は、次の電車を待つなりした方がいいかもしれない。
たま電車乗車の際の注意点
たま電車が有名な和歌山電鐵貴志川線であるが、乗車するにあたって注意すべき点がある。
たま電車は毎日運行されているわけではない
最も注意すべき点は、たま電車は毎日運行されているわけではないということである。
和歌山電鐵貴志川線では、何種類かの車両を使用している。その内の1つがたま駅長で装飾された「たま電車」である。
たま電車の他に「いちご電車」「うめ星電車」「おもちゃ電車」などがローテーションで運行されている。そのため、ローテーションでたま電車の運休日に当たる日には、たま電車は運行されないのである。
たま電車には、毎日乗れるわけではないことは頭に入れておこう。
たま電車以外の車両も独特の装飾が施されており、乗車が楽しいのであるが、せっかく和歌山電鐵に乗るのなら、少なくとも1回はたま電車に乗車したいものである。
車両別の時刻表で確認を
確実にたま電車に乗車するためには、たま電車の運行日を確認してから旅行の予定を立てるべきである。
たま電車の運行日は曜日によって決まっているわけではなく不定期である。たま電車、及びその他の車両の運行日は和歌山電鐵のウェブサイトで確認できるので、旅行を計画する際に活用すべきだろう。
和歌山電鐵のウェブサイト
和歌山電鐵 貴志川線 猫のスーパー駅長「たま」とおもちゃ電車といちご電車
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