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タイにおける外国人価格という罠

以前、タイではモノやサービスを外国人に売る際、タイ人よりも高い金額設定にするということは一般的ではなかった。つまり、外国人はタイ人が買う値段と同じ値段で物やサービスを購入できたということだ。

外国人からぼったくるということはあったが、これは万国共通のことで、また別の問題である。

バンコクでは一時期、ムエタイ(タイ式ボクシング)の会場で外国人は料金の高いリングサイドしか買えないこともあったが、今はどうなのであろう?しかし、これもまた外国人価格を設定するという二重価格とは異なる性質のものである。

 

外国人価格に気付いたきっかけ

タイ人と外国人で明らかに異なる価格を設定していることに気付いたのは、久しぶりにワット・プラケオ(วัดพระแก้ว)へ行った時だった。

ワット・プラケオは正式な名称はワット・シーラッタナーサーサダーラーム(วัดพระศรีรัตนศาสดาราม)であるが、通称「エメラルド寺院」と呼ばれるバンコクで人気の観光スポットである。

現在、このワット・プラケオでは以前とは異なり、入場する際にタイ人と外国人は別のレーンに並ばされる。そして、外国人は高い入場料を支払わなくてはならない。

その時、「わあ、タイもあからさまに外国人価格を取り入れて来たな…」と思わざるを得なかった。

 

タイ語と英語で巧妙にごまかすのである

ロイクラトンという祭りのが行われる時期、スコータイへ行ってきた。祭りのメイン会場であるスコータイ遺跡公園(อุทยานประวัติศาสตร์สุโขทัย)では、下の写真のようなバスのような乗り物が園内を走っていた。

 

スコータイ遺跡公園を走る遊覧バス

公園内を走る遊覧バス

 

この遊覧バスの乗り場には、下の写真のような看板があった。遊覧バスの乗車料金を案内するものだ。 

 

スコータイの公園内を周遊する乗り物の価格がタイ人と外国人では異なることを示す看板

タイ人と外国人では異なる価格

「Foreigner 40 Bath/person」というのは分かるだろう。「乗車賃は1人40バーツ」ということだ。

それでは、その上に書かれている「คนไทย คนละ ๒๐ บาท」はどういう意味であろうか?タイ語を知っていればすぐに分かる。「タイ人は1人20バーツ」と書かれているのである。

タイ語を読めなければ、外国人観光客も「1人40バーツなんだな」と納得するであろうが、タイ語の文章の意味を知ってしまうと多少乗る気が薄れてしまうのは事実である。

 

料金設定の仕方がちょっと違うエラワン博物館

バンコクの隣のサムットプラカーン(เมืองสมุทรปราการ)にエラワン博物館(พิพิธภัณฑ์ช้างเอราวัณ)がある。象の博物館と呼ばれている博物館だ。

 

バンコク近郊にあるエラワン博物館

エラワン博物館

 

この博物館の入場料は、ちょっと異なる。単に外国人だからといって外国人用の入場料を科せられるわけではない。ワークパミット(労働許可)を持っているか、持っていないかがポイントとなる。

外国人でもワークパミットを持っていればタイ人用の入場料を支払えばよいことになっている。

しかも、博物館の職員はできる限り安い料金で入場させてあげたいと思っているらしく、何度も「本当にワークパミット持っていないの?」と何度も聞かれた。

 

タイ人用と外国人用の二重価格は是か非か?

外国人価格について批判的に書いてきたような印象を受けるかもしれないが、外国人価格は必ずしも悪いとは限らないと思う。

ワット・プラケオなどは、外国人にしてみればバンコクの観光スポットの1つであるが、タイ人にとっては仏教の寺院としての祈りの場でもある。外国人にとってのワット・プラケオと比較すると、より生活に即した建造物なのである。

それなら、その建造物の維持費を賄うため、外国人からお金を徴収すればいい話だ。

また、外国人観光客はお金を持っているし、観光のためにお金を使う気満々な人たちが多い。外国人観光客の増加すれば、その観光地での様々な料金は上がってしまう。

これでは慎ましい一般のタイ人観光客にとっては値段が高すぎて、それらのサービス等を利用できなくなる可能性もある。そのため、「タイ人は外国人よりも安く」という発想で、二重価格はありだともいえる。

このような現地人用と外国人用に異なる価格を設けているのはタイだけではない。実は、ヨーロッパのブルガリアなどでも行われているのだ。

ワット・プラケオには高いお金を出そう。しかし、せめて屋台などではタイ人と同じ価格を望みたいというのが本音である。