毎年4月にタイではソンクラーン(สงกรานต์、Songkran)とよばれる水かけ祭りが行われる。
祭りの日にちは年によって変わるものの、通常、4月上旬から中旬に開催される。ソンクラーンは「水かけ祭り」と呼ばれている通り、人に水をかける祭りだ。本場はチェンマイだが、バンコクでもさかんに行われている。
ここでは、バンコクのソンクラーンの時に持っておくべき物と注意点などを紹介してみたい。
- バンコクのソンクラーンはどこで行われるのか?
- 知らずに行ったら大変なソンクラーン
- ソンクラーンの時に用意すべき物
- ソンクラーンの時に注意すべき点
- 水をかけるための武器
- 観光が目的ならソンクラーンの時期のタイは避けるべき
バンコクのソンクラーンはどこで行われるのか?
ソンクラーンを見たいと思い、バンコクのどこへ行けばいいのかをタイ人の知り合いに聞いてみた。その知人は、「どこそこがすごい」などとソンクラーンが盛り上がる場所を何ヶ所か教えてくれた。
しかし、実際にバンコクに行ってみると、それは全く違うことが分かった。知人の言う「何ヶ所」というのは特に盛り上がる場所で、小規模の水かけはバンコクのあちこちで行われる。スクンビット通りでさえ例外ではない。
私は知人に教えてもらったその「何ヶ所」のみがソンクラーンの会場だと勘違いしてしまったのだ。
知らずに行ったら大変なソンクラーン
純粋に観光目的でソンクラーンの時期にバンコクに行くとしたら、意外と難儀するかもしれない。
朝の早い内にホテルを出てしまえば水かけが始まらないのでいいのだが、問題は水かけ開始以降である。水かけ開始以降と言っても、もちろん明確な時間はない。
ソンクラーンの時、BTSのプロンポン駅(Phrom Phong)から徒歩7~8分の所にあるホテルに滞在したが、駅からホテルに着くまでに水をかけられびっしょりと濡れてしまうこともあった。
ソンクラーンのためにポンチョを用意していたが、全く役に立たない。ポンチョの襟をひっぱり、その隙間に水を入れてくるからだ。
このような有様なので、ジーンズにスニーカーなど履いていようものなら、かなりダメージが大きいだろう。
ソンクラーンの時は潔く諦め、水に濡れないことよりも水に濡れても問題無いような服装で対処するしかない。
ソンクラーンの時に用意すべき物
ソンクラーンのために準備したもの
ソンクラーンの時期にバンコクへ行く際、予想できる範囲で入念な準備をした。通常バンコクに滞在する時と比較し、特に準備した物は
- ポンチョ
- 防水性のカメラ
だ。
また、次のようなことにも注意を払った。
- 速乾性のTシャツを着用する
- 下は短パン
- サンダルを履く。もちろん靴下は履かない
- バッグにはタオルを常備
上記のようにソンクラーン対策は準備万端のつもりだったが、実際に現地に行ってみると、まだまだ甘いことを実感した。
ソンクラーンの期間のある朝早く、バンコクで行っておきたい所があったのでBTSを利用したが、その車内で見かけたのがビニール製のポーチを持つタイ人だった。ジッパーで閉めることのできるポーチだ。
ポーチは透明だったり、色がついていても半透明なので中の物が見え、ポーチの中にはスマホやお金などが入っているのが分かる。結構な数のタイ人が同じ様なポーチを持っていたので「バンコクで流行ってるのかな?」などと思っていた。
そのビニール製のポーチを持つ意味は、水をかけられ、びしょびしょに濡れた後に分かる。スマホやお金を水から守るためのものである。
ソンクラーン時の持ち物
そのようなことを考慮し、ソンクラーンの時に準備しておきたい物を挙げてみたい。
貴重品を入れるためのジッパー付きのビニール製ポーチ
- 上下ともに速乾性の服
- 滑らないサンダル
- ビニール袋
- タオル
- 防水性のカメラ(写真を撮る場合)
ポーチには財布やスマホなど絶対に濡れては困るものを入れておく。また、濡れてもすぐに乾く服装が好ましい。
みんな水をかけあうので、服もびしょびしょだが歩道も濡れている。そのため、底のしっかりした滑りにくいサンダルがおすすめだ。もちろん靴下を履くのはもってのほかである。
写真を撮影したい場合は絶対に防水性のカメラ、あるいは付属品で防水仕様にできるカメラを持って行くべきである。そうでないと、最悪、カメラが故障する危険性があるからだ。
もう1つ付け加えると、体を拭くためのタオルをビニール袋、あるいはレジ袋のようなものに入れて持参するといいだろう。
ソンクラーンの時に注意すべき点
上記の持ち物を準備しておけば困ることはないだろうが、次の点には注意すべきである。
- 濡れたくない場合は、移動の際にタクシーを利用する。その際、タクシーの窓を開けない
- エアコンのないバスに乗らない
水かけが始まる時間は特に決まってないが、水かけ開始後の時間に移動するならタクシーがおすすめだ。水かけの危険地帯を通らなければならない場合は特にである。
また、タクシーで移動する際に気を付けなければならないのは、バンコクのタクシーは時々窓が少し開いている場合がある。そのため、乗車したら窓を確認し、もし開いていたらしっかりと閉めることが重要だ。
細い路地(ソイ)に入ると大通り以上に激しい水かけをやっている場所もある。タクシーに水をかけられた時、ちょっと開いた窓から水が入ってしまうので注意が必要である。
下の写真はタクシーの中から撮ったものだが、細い路地にもかかわらず、水かけが激しく行われていた。みんな獲物を狙うような眼をしている。
また、バンコクにはエアコンがついていないバスがある。エアコンのないバスは車内が暑いので、窓が開いているはずだ。窓が開いているということは、水をかけて下さいとお願いしているようなものである。
たとえバスの中に仕事帰りのスーツを着た女性がいようと、水をかける者は容赦はしない。下の写真は、そんな獲物を虎視眈々と狙っている人々だ。
水をかけるための武器
ソンクラーンでは、通常、バケツなどの容器に水を入れて水をかけるが、その他にもいろいろと水かけの道具がある。
まずは高性能水鉄砲。水鉄砲は、ソンクラーンの時ならバンコクのあちこちで売られている。バンコクには、このような水鉄砲を持った人たちが闊歩している。
さすがにBTSや地下鉄の駅構内で水かけを行う人はいないが、常に臨戦態勢であることは間違いない。
また、車の洗車などに使うような直接ホースに付ける水鉄砲タイプもある。しかし、これはちょっと邪道と思わざるを得ないが…。
この時期、BTSなどに乗ると、びしょ濡れの中学生か高校生くらいの女の子が乗っており、普段なら「犯罪にでもあったのか?」と心配してしまうが、「はっちゃけたな」と微笑ましくなるのもソンクラーン祭りならではだろう。
観光が目的ならソンクラーンの時期のタイは避けるべき
以上、バンコクのソンクラーンについて紹介してみた。
ソンクラーンを楽しむためなら別であるが、純粋に観光のためにバンコクへ行こうとするなら、しっかりとソンクラーンの時期を確認した方がいいだろう。思いがけないハプニングが待っているからだ。
1つ言えることは、「ソンクラーンには興味はない。純粋にバンコクの観光がしたい!」という場合、ソンクラーンの時期にバンコクのみならず、タイに行くのは避けた方がいいということだ。
特にチェンマイへ行く人は注意した方がいい。チェンマイのソンクラーンは、バンコクよりもはるかに激しいからだ。