しかりべつ湖コタンは、毎年1月後半から3月にかけて、北海道にある然別湖で開催される。凍った然別湖の氷上に、雪と氷で村を造るというもので、祭りというよりは催し物に近いかもしれない。
そこには氷と雪でできた露天風呂やアイスバー、迷路などが設けられ、雪と氷の世界という、雪国に住んでいない者にとっては貴重な非日常が体験できる所だ。
北海道の帯広駅から長いことバスに揺られ、終点のバス停で降りると、ちょっとびっくりするかもしれない。
最初はがっかりのしかりべつ湖コタン
長いバスの旅を終え、終点でバスを降りるとしかりべつ湖コタンの会場が一望できる。その風景を見ると、「えっ、こんなものなの?」と思うのが正直なところだろう。
会場となる敷地はそこそこ広いのであるが、そこにぽつりぽつりと氷と雪で作られた建物があり、非常に散漫な感じなのである。
しかも、思ったほど氷の建物も多くはなく、見るだけなら30~40分もあれば十分なほどであった。
長い時間をかけてきた割にはあっけないものと感じるに違いない。
しかし、ホテルにチェックインをし、部屋の窓から然別湖を眺めていると、そんな驚きと後悔の気持ちは薄らいでくる。
時間が経つにつれ、山に囲まれ、凍って白くなった然別湖の上にできた氷の建物の風景の調和が、心地よいものだということを理解してくるのだ。
しかりべつ湖コタンとは、コタンのみを楽しむイベントではなく、自然と調和した氷の村を一体として楽しむものなのであろう。
しかりべつ湖コタンで体験できること
コタンの会場内にはアイスバーや氷上露天風呂、氷の迷路、アイスチャペルなどがある。
メインの会場はこのアイスバーである。日中はカフェ、そして夕方からバーとなる。
アイスバーの中はこのようになっている。氷の上に並べられた酒類がおしゃれである。また、氷でできたカウンターがとてもきれいだ。
バーの他にコンサート会場などもあり、アイスバーの中は思いのほか広い。
また、スノーモービルで氷上を走るなどの体験メニューもある。爆音をたてて氷上を走ることは快感ではあるが、氷に覆われているとはいえ湖の上なので、氷が割れないかちょっとびくびくしてしまう。
1泊して夜のコタンを楽しむ
しかりべつ湖コタンを含めた然別湖の美しさを体感したいのなら、日中もよいが、夜の然別湖も見逃せない。
特に暗闇に仄かに青く輝くアイスチャペルなどの氷の建物は、暗くないと雰囲気がいまひとつである。
車でコタンの会場に行ける方はいいのだが、バスで然別湖まで行く場合、夜のコタンを楽しむためにはホテルに宿泊する必要がある。
然別湖湖畔には宿泊施設が「ホテル風水」の1軒しかない。もう1軒「ホテル福原」というホテルがあったのだが廃業してしまったようだ。
しかりべつ湖コタンの会場内にもアイスロッジという氷でできた宿泊施設がある。ただし、アイスロッジは人気があるので予約は難しいかもしれない。
できればこれらの宿泊施設に1泊して、夜のコタンとそれを取り巻く自然の調和した景観を楽しむことをおすすめしたい。
冬期はお得な然別湖行バス
帯広駅前からバスで然別湖に行く場合、北海道拓殖バスを利用する。北海道拓殖バスは、しかりべつ湖コタンに合わせてお得な切符を売り出すこともある。
特に「ホテル風水」宿泊者はキャッシュバックや帰りのバスが無料で利用できたりと優遇されている。
これは、しかりべつ湖コタンに行く者にとって嬉しいことだ。上手く利用すべきだろう。
詳しい情報は、下記の北海道拓殖バスのウェブサイトで確認してほしい。
また、こちらのしかりべつ湖コタンのウェブサイトも参考に。