うさぎの楽園といわれるのが、広島県竹原市にある大久野島である。
しかし、本当は人間の楽園なのだろう。うさぎはその島にいるだけなのに、不便な場所なのにもかかわらず、多くの人がうさぎへの献上物を持って訪れるのだから。
最近は外国人の姿も多く見かけ、うさぎを見るその顔は、老若男女、国籍を問わず皆笑顔である。
うさぎに癒される島、それが大久野島の魅力だ。そんな大久野島でうさぎと楽しく過ごすためのヒントを紹介してみたい。
大久野島への行き方
大久野島へ行く手段は、公共の交通機関を利用して行くなら、最終的には忠海(ただのうみ)港からフェリーに乗るしかない。
そのため、大久野島を訪れる旅行者は、忠海港の最寄り駅であるJR呉線の忠海駅に辿り着く必要がある。
ここでは飛行機で広島空港まで行き、そこから忠海港に行くまでのポイントを紹介したい。電車で行く場合も、これに準ずるものと考えていいだろう。
広島空港から忠海駅へ
空港から三原駅か竹原駅へ
忠海駅があるJR呉線に乗るには、三原駅か竹原駅が便利だ。
広島空港に到着後、三原駅に行く場合はバス、竹原駅に行く場合は乗合タクシー(ジャンボタクシー)を利用する。
三原駅に行く場合も、竹原駅に行く場合も、広島市内に向かう場合と比較し、バスの本数は少ないので注意が必要だ。
また、三原駅に行くにしろ、竹原駅に行くにしろ、飛行機の到着時刻に合わせて発車するというわけではないので、空港でかなり待つこともある。
JR呉線に乗車
三原駅や竹原駅に到着後、忠海駅に向かうJR呉線に乗車するが、これが大久野島に行く際の一番のネックだろう。
電車は1時間に1本しか運行されない。朝夕に2本ある時間帯もあるが、遠方から訪れる場合は早過ぎたり、あるいは遅過ぎたりする時間帯なので、1時間に1本と考えておいた方がいいだろう。
そのため、乗車予定の電車に乗り遅れると、旅行の予定が大幅に狂ってしまうので注意が必要だ。
三原駅と竹原駅の間を忠海を経由するバスを芸陽バスが運行させているが、電車よりも本数は少ない上、時間もかかり、運賃は電車よりも高い。しかも土曜・休日は1日2便程しかないので、旅行者にとっては、あまり良い選択肢ではないだろう。
JR呉線忠海駅
忠海駅に到着すると、駅の看板にはうさぎの絵が描かれいて、「これからうさぎの楽園へ行くのだなあ」と感じることができる。
忠海駅は無人駅であるが、SuicaなどのICカードが使用できる。
忠海駅を出て右方向に進むと忠海港がある。忠海港は駅から徒歩5分程の所にある小さな港だ。
大久野島へ行くフェリー
忠海港に着いたら券売機でフェリーの乗船券を買う。大久野島にも券売機はあるが、忠海で往復の乗船券を買っておいた方が便利だろう。
忠海港から大久野島へ行く船は、大三島フェリーと休暇村の客船がある。
大三島フェリーはカーフェリーで大きな船だ。一方、休暇村の客船は小さい船だ。休暇村の客船ではあるものの、休暇村に宿泊する予定がなくても乗船することができる。
乗船券は共通で、どちらの船の乗船券かなどと心配する必要はない。早く出発する方に乗り込めばいいだけである。
乗船する船がフェリーなのか客船なのかは時刻表で確認できるが、休暇村の客船の場合は多少注意が必要かもしれない。休暇村の客船は小さく、乗船できる人数が限られているためだ。
休日の午前中など、大久野島に渡る人が多い時などは、港に乗船客の長い列ができていることもある。乗船客が多そうな時は、早目に乗船する列に並んでおいた方がいいだろう。
旅程のポイントはJR呉線の発車時刻
JR呉線と忠海からのフェリーは必ずしも接続がいいとはいえない。ただ、どちらかといえば、忠海と大久野島間のフェリーよりもJR呉線の方が本数が少ないので、大久野島へ行く際のネックになる。
そのため、大久野島へ行く旅行のプランは、呉線の乗車時刻をポイントに考えるのがベストだ。
「この時刻に発車する電車に乗るためには、三原駅に何時までに着いておかないといけない。そのためには、空港から何時発のバスに乗るべきか。このバスの乗るためには、どの飛行機で広島へ行くべきであるか」という具合に。
大久野島から帰る場合も同様である。
広島市内から忠海駅へのバス
広島市内から忠海駅へ行くなら、高速バスの「かぐや姫号」を利用することもできる。
本数は少ないものの、このバスで広島市内と忠海駅の間を移動するのが便利だろう。
バスの停留所は忠海駅のすぐ近くにある。
うさぎのえさ
うさぎはえさを待っている
大久野島のうさぎはえさを待っている。決してあなたを待っているのではない。
えさも持たずに大久野島を訪れるのは、うさぎの期待を裏切るだけである。うさぎを遠くから観察するだけというのならえさの有無は関係ないだろうが、うさぎと触れ合いたいなら、必ずえさを持って行くべきである。
それでは、どのくらいの量のえさを持って行けばいいだろうか?
持っていくえさの量
えさは、どれだけ多く持って行っても多過ぎるということはない。とはいっても持って行ける量にも限りがあるので、大久野島の滞在時間などを考慮し、適量だと思う量を持って行けばいいだろう。
ただし、大久野島にいる時間はあるのにえさがないと寂しいものである、ということは頭に入れておいた方がいい。
休暇村に宿泊する場合は結構な量が必要になる。うさぎのえさやりが目的なら、すくなくとも1日で2Kgのえさは必要だろう。
うさぎのえさの調達方法
以前は休暇村ホテルの売店やフロントでもうさぎ用のえさを売っており、大久野島に着いてからもえさを用意することができた。
しかし、現在はホテルでは売っておらず、大久野島へ行く船に乗る前にえさを用意する必要がある。
えさを自宅から持って行く場合
うさぎのえさは自宅から持って行くのが普通かもしれないが、遠方から行く場合、多少問題がある。
大量のえさをキャスターの付いた大きなバッグに詰め込み、自宅を出発するわけであるが、行きはいい。えさで荷物が重かろうと、うさぎに会えるわくわく感で荷物の重さなんて気にならないはずだ。
問題は帰りである。中身はスカスカなのにごろごろとバッグを引かなくてはならないのだ。ちょっと間抜けな感じがしてしまうし、バッグも邪魔である。
三原駅近くのイオンでえさを購入
そこでおすすめなのは、三原駅の近くのイオンでうさぎのえさを買うという選択だ。
三原駅から見て左の方へ歩くとイオンがある。歩いて5分もかからない所だ。
このイオンの2階にペットコーナーがあり、そこでうさぎのえさを購入することができる。ペットコーナーはスペースは狭いものの、えさの種類は意外と豊富である。
ついでに1階の食料品売場で野菜も買っておけば準備万端だ。えさを購入した後、手荷物は増えるものの、スカスカのバッグを持って帰るよりはましだと思う。
忠海駅の隣のファミリーマート
忠海に着いてから、「えさを忘れた!」なんてことになった場合はどうすればいいだろうか?
この場合は、忠海駅の隣にファミリーマートがあり、そこで小分けしたえさやカット野菜を購入することがでる。
多少割高になるが、しょうがないだろう。
忠海港の乗船券売り場
また、最悪忠海港の乗船券売り場でも小分けしたえさを買えるが、袋に入っているえさの量は少なめだ。
休暇村大久野島に宿泊する
うさぎの楽園大久野島は瀬戸内海国立公園の一部でもある。この島にはホテルが1軒ある。休暇村大久野島というホテルだ。
時期によっては予約が取りづらいホテルではあるが、機会があれば泊まってみたいホテルである。
休暇村宿泊をお勧めする理由
休暇村大久野島は結構人気のホテルで、リピーターの方も多い。また、1泊だけではなく、複数泊するお客さんも多い。
これは泊まってみると分かるが、1泊だと少々物足りない感じがするからだろう。
時間と予算が許すならば、何泊もとはいわないが、せめて1泊でもこのホテルに宿泊することをおすすめしたい。
その理由として
- 時間を気にせず散策できる
- 朝夕のうさぎを見るのが楽しい
- 休暇村の食事が楽しい
- 天気の良い日は夕日がきれい
などがあげられる。
時間を気にせず散策できる
大久野島には約4Kmの散歩道があり、1周するのに1時間程かかる。この散歩道にもうさぎがおり、えさをやったり、毒ガス工場時代の跡を見ながら歩くと2時間から2時間半必要だ。
日帰りの場合は、時間の関係で、うさぎが多くいる桟橋付近とホテルの前しか見ないで終わってしまうこともあるだろう。大久野島を満喫したいのなら休暇村に宿泊し、このような散歩道をゆっくりと歩いてみたいものである。
以前、大久野島には毒ガス工場があり、毒ガス工場時代の建物も見ることができる。
ほとんどは半壊してたり、跡地だけになっているが、発電所跡など、かなり原形を留めている建物もあり、非常に興味深い。
また、毒ガス資料館という施設もあり、当時の資料や展示物を見学することができる。
朝夕のうさぎを見るのが楽しい
宿泊する場合の最大のメリットは、朝夕のうさぎを見ることができるということだろう。
特に、夜のうさぎは昼間よりも活発で、暗闇を駆け巡ってたりする。意外と見てて面白いものだ。
休暇村の食事が楽しい
休暇村のホテルでは朝夕とビュッフェ方式の食事を提供している。
この食事が種類が豊富でおいしい。決して激旨(げきうま)とはいわないが、うさぎのえさやりの後の食事が最高だ。
ここに泊まると、ついつい食べ過ぎてしまうのではないだろうか。
天気の良い日は夕日がきれい
大久野島は瀬戸内の島なので、近くの島を眺めることができ、意外と風光明媚な島である。
周辺の島々だけではなく、島内の景色も素晴らしい。大久野島にはヤシの木があり、天気に恵まれた日なら、夕日に染まったヤシの木が南国を感じさせて美しい。
休暇村大久野島の予約方法
予約は休暇村のウェブサイトで
大久野島の休暇村は人気のあるホテルで、時期によっては非常に予約がしにくいホテルだ。予約がしにくいというのは、予約がすぐに埋まってしまい、予約が取れないということである。
その人気のせいか、休暇村のホテルは、基本的に楽天トラベルなどの旅行サイトでは予約できない。検索しても予約不可になっているはだ。
時折、部屋が余っている時なのか、予約できる場合もあるが、稀だと思った方がいいだろう。また、旅行サイトで予約できる場合でも、宿泊プランが限定されている。
そのため、ホテルの予約は休暇村のウェブサイトで直接行う方がいい。
ホテルでは多彩な宿泊プランを用意しており、好みのプランを選ぶこともできる。また、数ヶ月先までの予約状況を確認できるので非常に便利だ。
繁忙期などは予約できない日が多いだろうが、定期的にホテルのウェブサイトをチェックしていると、キャンセルがでた場合など予約可能になることもあるので、予約状況を定期的にチェックすることをおすすめする。
また、どうしてもこのホテルに泊まりたい場合、予約可能な日に休みを取るなどの柔軟な対応も、時には必要だろう。
いろいろなプランがあるのでお好みのプランを選ぼう
休暇村大久野島では多彩な宿泊プランを用意している。夕食にステーキをつけたり、24時間滞在できるプランなどもある。また、お得な連泊プランもある。
ホテルのウェブサイトを見て、自分の好みに合ったプランを選ぶといいだろう。
休暇村大久野島のウェブサイト
休暇村大久野島【公式】《ベストレート保証》|瀬戸内海のうさぎ島 夕陽と瀬戸内グルメを堪能できるホテル
大久野島に着いたら
桟橋でホテルのバスがお出迎え。バスの運転手さんの喋りにも注目
忠海港から船で大久野島に着くと、そこにはホテルの送迎バスが待っている。約1kmなので、うさぎを見ながら歩いてもいいのだが、荷物があるときはバスに乗った方がいいだろう。
運転中、バスの運転手さんがいろいろと喋ってくれるのだが、味があるので是非注目してほしい。
ホテルのフロントに荷物を預ける
大久野島に到着し、チェックインまで時間がある時は、ホテルのフロントで荷物を預かってくれる。
身軽になってうさぎに会いに行こう。もちろん、うさぎのえさを忘れずに!
休暇村大久野島の客室
ホテルの客室には、和室と洋室がある。洋室はビジネスホテルのような部屋で、和室は普通の旅館のような造りになっている。
また、和室に関しては風呂付いている部屋と付いていない部屋に分かれる。風呂付きの部屋は予約が埋まるのが早い。
風呂付きの部屋を希望する場合は、ホテルのウェブサイトで早い時期からチェックしておいた方がいい。
風呂が付いてない部屋でも大浴場があるので心配はない。
各部屋とも、窓からはうさぎが見える。窓を開けると網戸があるが、網戸は絶対に開けない方がいい。虫が入ってくるからだ。
各部屋とも洗面所に歯ブラシは置いてあるが、髭剃りなどは1階のフロントの前にあるので、必要に応じて持ってくる。
ホテルのレストランとカフェ
ビュッフェスタイルのレストラン
宿泊客は、ここで朝食と夕食を食べる。どちらもビュッフェスタイル(バイキング方式)である。
嬉しいことに種類が豊富だ。この休暇村の名物はタコ飯であるが、おすすめはカレーだ。とても美味しい。
うさんちゅカフェ
レストランとは別にホテル内に「うさんちゅカフェ」というカフェがある。ドリンク類とカレーなどの食事ができる。
このカフェでは、窓際あるカウンター式の席がおすすめだ。ちょっと座りにくい椅子だが、窓からうさぎを見ることができる。
大久野島での注意事項等
フェリーで大久野島へ着いたら、うさぎの楽園を楽しめばいいのだが、注意点などを記しておきたい。
大久野島では底が柔らかい靴を履く
しゃがんでうさぎにえさをあげている最中、ちょっとバランスを崩し、足を1歩後ろに出し、バランスを取ろうとする。このようなことは、よくあることだ。
こんな時、後ろにうさぎがいて、少しばかりうさぎの脚を踏んでしまう可能性もある。このような事態を想定して、靴底の柔らかい靴を履いた方がいい。
うさぎに怪我をさせないように配慮したいものである。
紙コップなどの使い捨てのコップを持って行くと便利
えさをあげる時、コップですくうと手が汚れずに済む。えさやりと同時に写真撮影もするという時などに重宝するだろう。
大久野島での注意事項を守る
特に重要なのが大久野島での注意事項を守ることだ。
うさぎを追いかけたり、抱っこしないでとか、ごみを捨てないことなど、島内で禁止されていることなどの注意事項が書かれた案内が、島のあちこちに貼られている。
しかし、注意事項を守らない輩もいるのである。
時々、大の大人がうさぎを持ち上げいて、ひやひやすることがある。うさぎは逃げるために高い位置から飛び降りようとするが、こういうことは骨折などの怪我つながるので厳禁である。
島内では注意事項をきちんと守り、うさぎの楽園を楽しもう。
こちらの記事もおすすめ