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倉敷美観地区の異色な存在 桃太郎からくり博物館

倉敷美観地区には、「美観地区」という名称には似つかわしくない風変わりな施設がある。それは、くらしき川舟流しのある倉敷川沿いから1つ奥の通りにある。その名も「桃太郎からくり博物館」である。

これが土産物屋などの店舗ならどうってことはないのだが、「博物館」なのだ。「博物館」という名称にしても、「倉敷歴史博物館」とか「桃太郎の歴史博物館」などという名称なら気にも留めないかもしれない。

「桃太郎からくり博物館」という名称の、「桃太郎」と「からくり」の組み合わせにB級スポット感を漂わせているのだ。そして、桃太郎からくり博物館は、その期待を裏切らないものであった。

倉敷美観地区にある異色の観光スポット、桃太郎からくり博物館について紹介してみたい。

 

 

桃太郎の人形が目印の桃太郎からくり博物館

桃太郎からくり博物館は、倉敷アイビースクエアの高いレンガのある、細い通り沿いにある。

 

桃太郎の人形がお出迎え

からくり博物館の近くに来たら、歌舞伎の定式幕のような暖簾と桃太郎の人形が目に付くはず。

この博物館について知らない人は「入ろうか、やめておこうか」と迷った挙句、中に入らずに立ち去ってしまう人も多い。非常にもったいない。少しでも気になったら入ってみたら、と思ってしまう。

 

倉敷美観地区にある桃太郎のからくり博物館外観。桃太郎の人形が置いてある

桃太郎のからくり博物館

 

館内案内図

からくり博物館の館内の案内図を見ると、意外と充実しているようにも思える。案内図には、桃太郎からくり博物館の見学の所要時間が書かれているが、そこには

超速回りで、13分。

錯覚トリック・洞窟探検等にハマると、33分。

とある。

どうやら「3」という数字にこだわりがあるようにも思えるが、実際に見学にかかる所要時間は、人それぞれだろう。どれだけ興味を持てるかにかかっている。

さすがに所要時間13分は短すぎるが、30分もあれば見て回れる規模の博物館だ。長くても1時間はかからない。

 

桃太郎からくり博物館の館内案内図

桃太郎からくり博物館の案内図

 

目の錯覚を利用した展示物の数々

館内スタッフの説明

入場料を払い、博物館の中に入ると何名かのスタッフがおり、見物に訪れた客にいろいろと説明してくれる。一部のお客さんは楽しんでいたが、一方で展示物を見て微妙な顔の人もいた。

興味がありそうな素振りを見せれば、スタッフの方の説明にも熱が入った。いやいや、「興味がありそうな素振り」なんて失礼だろう。本当に興味津々になるはずだ。

 

桃太郎が見えたり、見えなかったり

博物館の中には、目の錯覚を利用して楽しませるような器具が何種類かあった。だまし絵などは童心に帰るようで嬉しいものだ。もちろんそれらの器具を実際に使用し、トリックを体験することができる。 

下の写真は、ある方向から見ると桃太郎が見え、違う方向から見ると桃太郎が消えてしまうというもの。鏡を使ったトリックだ。

 

桃太郎からくり博物館にある目の錯覚を利用した展示物。桃から桃太郎が生まれたところ

目の錯覚を利用した展示物

 

鏡には映らないブドウ

館内には桃太郎とは関係がないものも展示されている。上の灯籠のようなものに描かれている絵にはブドウがあるのに、下にある鏡にはブドウが映っていないというもの。

これらの展示物を見て、くれぐれも桃太郎との関係性などを考えてはならない。目の前にあるものを楽しめばいいのだ。

 

桃太郎からくり博物館にある、目の錯覚を利用した展示物。鏡に映っているものが実物と異なる

鏡に映っているものが実物と異なる

 

鬼語が読めたら鬼です

鬼が島の文字というのも展示されている。鬼語だそうだ。

いろいろと説明してくれるスタッフの方に「これ読めたら鬼です!」と言われたので、ちょっと解読してやろうと思ったが、読めるわけがない。

 

桃太郎からくり博物館に展示されている鬼語の文字。これが読めれば鬼である

鬼が島の文字

 

館内には桃太郎を匂わす展示物もあるのだが、桃太郎とは全く関係のないものも多数展示されている。しかし、このような場所で「これ、桃太郎と何の関係もないのでは?」などと野暮なことを言ってはならないのである。

 

洞窟探検 鬼が島

錯視トリックを楽しんだ後は「洞窟探検 鬼が島」である。

 

桃太郎からくり博物館にある「洞窟探検 鬼が島」と書かれた看板

洞窟探検 鬼が島

 

いきなり不意をつかれた。鬼が島の洞窟にろくろ首である。

しかし、不意をつかれたとはいえ、子供なら怖がるかもしれないが、大人なら全然余裕だろう。

 

鬼が島の赤い光に照らされたろくろ首のお化け

鬼が島のろくろ首

 

そして化け猫であろうか。

鬼が島の洞窟なので、鬼が主体かと思いきや、鬼が島をイメージしたお化け屋敷である。

 

鬼が島の赤い光に照らされた猫のお化け

猫のお化け

 

桃太郎に関する資料の展示

「からくり」とつくものの、ここは桃太郎にフォーカスした博物館だ。2階に上がれば桃太郎に関するまじめな資料もある。

 

いろいろな桃太郎

2階に展示室には桃太郎の絵や人形などが展示されている。日本人形風の凛々しい桃太郎の人形もあれば、かわいらしい陶器製の桃太郎の人形もある。

 

桃太郎からくり博物館に展示されている桃太郎の人形

桃太郎の人形

 

個人的に気に入ったのが、ペコちゃんが桃太郎になったイラストが描かれたマグカップだ。

 

桃太郎からくり博物館に展示されているペコちゃんのマグカップ。桃からペコちゃんが生まれているところが描かれている

ペコちゃんのマグカップ

 

「モモタラウ」という古い絵本

古い桃太郎の物語の絵本なども数多く展示されている。「モモタラウ」という表記の絵本もある。もちろん右から左へ読む。

これらの絵本は、かなり貴重なものではないかと思う。

 

桃太郎のからくり博物館に展示されている桃太郎の古い絵本。「モモタラウ」という題名になっている

桃太郎の古い絵本

 

戦時中の桃太郎

2階には暗い1室があり、そこでは戦時中に作られた桃太郎を使った映像を見ることができる。おそらく、戦争の広報映像であろう。

 

桃太郎からくり博物館で見ることのできる戦時中に利用された桃太郎の映像

戦時中に利用された桃太郎

 

学術的な展示

「主な桃太郎の伝説地」のような学術的な展示物もある。

ここでは、愛知県の犬山市、香川県の高松市、そして岡山県の3つの地域で桃太郎伝説があることを示している。

B級スポット的な博物館とはいえ、ちゃんと桃太郎について研究されているのである。

 

桃太郎からくり博物館に展示されている桃太郎の伝説地の説明。岡山、高松、そして犬山に桃太郎の伝説があることを示している

桃太郎の伝説地

 

倉敷の異色スポット

博物館というものは、毎週月曜日が休館という所も多いが、桃太郎からくり博物は年中無休という心意気が嬉しいものだ。

B級スポット巡りが好きな者にとって、桃太郎のからくり博物館は、倉敷では外すことのできない異色のスポットではないだろうか。是非、倉敷美観地区で桃太郎の世界を堪能してほしい。

 

桃太郎からくり博物館の詳細についてはこちら

倉敷観光WEB

 

桃太郎からくり博物館の地図

 

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